No.109 Bledisloe Cup in Japan (Part2)
前回、書き漏れた点を幾つか。
指定席券の座席が選べないシステム。(尤も、実はこれ、今回のBledisloe
Cupに関してだけの事ではないのだけれど)何とかならないものだろうか。
まだスクールに招待券が出される前、私は、「ジレンマを抱え、文句を言
いながらも」(No.97)国立に行く事にして大枚はたいてチケットを買った
のですが、あんなに高い券なのに席が選べないというのはものすごーく嫌
だった。どうせ選べないからとABsのベンチが右なのか左なのか調べもしな
いままだったけど、いざスタジアムの座席に着き、バックスタンドに向か
いかなり左寄りのその席の斜め前方にあるベンチ(文字通りのベンチだっ
た)がABsベンチらしいとわかった(いきなりスーツ姿のMessamが現れて
きゃーきゃーと喜んでいたらぞくぞくと他のメンバーも出てきてその辺り
でウロウロし出し、スタッフの人達がアップ用具を運んで来た)時には、
ものすごーく嬉しかった(笑)。自分で選べなかっただけに一層。
Loppiからこのチケットが出て来た時には「‥何か、端っこのほうみたい」
と思ってイマイチ期待していなかったのですが、まあまあ良い席でした。
前々列には元伏工監督の山口さんの姿があり、前列には大体大の坂田監督
さんがおられ(坂田さんは、近くの、多分留学時代に親交のあったNZの
人(だと思う)と懐かしそうにお話をされてました)、といった感じで、
関係者っぽい人達がたくさん。
もちろん、本当のVIP席のほうには、多分NZ首相(名前だけは知っているけ
れど顔がうろ覚えなあたり、常識に欠ける私ならでは=No.42)や、NZラグ
ビー協会の会長(こっちは名前も顔もちゃんと知っているあたりが、やは
り私だ)はじめNZラグビー界の有名どころが(多分オーストラリアのVIP達
だって来ていたに違いないのだが、NZのほうはわかるけれど豪のほうは誰
が誰やらなのが、これまた私らしい)結構いらしてました。
しかし! そんなVIP達に注目している間はないのであった。
何故か、ABsのベンチ脇、つまり私の席のほぼ正面あたり、にインタヴュー
用のスペースが作られていて、お陰で、試合前のインタビューでMcCawも
Elsomもヘンリーさんもやって来るし(良かった、こっち側で‥)あ、
ディーンズ監督も来てました(←付け足し)。他にもマーシャルとか有名
スターが何気にその辺りに。
でもでも、やはり一番見たいのは選手達。予想に反して早くからMessamだ
けじゃなくて、Latimerが、Kainoが、という感じで、目の前にABsの選手
達が出て来ているんだもの、視線はそちらに釘付けです。
そしたら、途中で、“前座試合”として子供達のタグラグビーが始まりま
した。Bledisloe Cupの前に子供のタグって‥。あんなの(ご免なさい、
出場した子供達に非は無いのだけれど)、どう考えたってABsやWallabies
と同時にピッチに立たせるものではないでしょう。前回、あちら立てれば‥
、と表現しましたが、そんなカワイイもんじゃなかったな。あちらもこち
らも(「こちら」の、「ラグビーの普及や人気獲得」に、一体このタグが
どう関係するというのかも皆目不明ですが)を恥ずかし気もなく平然とや
ってのけてしまう日本協会。何と言う図太さ。いや、単にセンスが無いだけ
なんだけどね。隅に追いやられたABsとWallabiesの選手達が「この子達、
まだ終わんないのー」という感じで、インゴールのあたりでパスを放った
りしていて、あれぞミスマッチの最たるものといった不思議な光景でした。
で、選手達ですが、普段ABsの姿を目にしすぎているせいか、あまり、実際
の彼らを見ても「おおっ!?」と驚かされる事は無かった。皆、TVで見てい
るまんま。DCなんて、アップや試合中にプレースキックをやっている姿が、
足の運びから、姿勢や顔の角度等、きっと計器ではかっても普段と一分も
変わるまいと思うほどにいつもと同じだったので(当たり前はと言え、周
囲がどうあれ淡々といつも通り、というところに)妙に感心しました。
余談ですが、試合の最後の5分位で交替した彼、Walesに到着した際の映像
でも足を引きずっていたので少し心配。
そんなこんなで開場間もない時間から殆どずっとABsを見ていられたので、
試合開始まで2時間以上あったとは思えないほどあっという間に時間がたち
ました。
さあ、いよいよ。
大画面に選手が映し出されて紹介された時のRichieへの大歓声に驚いた。
DCもそれに並ぶくらいの拍手。あと、U20で見た人が多かったからか(それ
とも『ラグマガ』のガイドに今回遠征メンバーの“目玉”などと書かれた
からだろうか)Zac Guildfordも人気があったみたいでした。
試合前のセレモニーの、例の会長の挨拶の間を利用して(爆)トイレにも
行き、もう準備は万端(笑)。
選手達が入場して来た瞬間は、(これだっていつもTVで見ているのと同じ
でしかなかったはずなのに)すごく興奮しました。先頭を行く背番号7が、
何だかとても格好良く見えた()。
続いて国歌斉唱。いつも、家でテストマッチを見る度にTVの前で歌ってい
るのですが、これはさすがに家で歌うのとは全然違いました。気持ちいい!
(笑) NZフラッグ(国旗じゃなくて、シルバーファーンが描かれたやつ)
を胸に思いっきり気持ち良―く歌っていたのですが、余りに気持ち良くて
酔いしれていたため(アホ)、この時の選手の姿を見るのをコロッと忘れ
ていた。うわー失敗したー(失敗1)。この後は反省して、選手の姿を一生
懸命見てました。(しかしその前にAustralia国歌も大声で歌った‥笑)。
試合自体についてはあまり書きとめておこうと思える事もないのですが、
良かったのは、Conrad Smith。記者会見で散々な目に合った上、選手紹介
の際もあまり盛り上がってなかった(泣)ので、いつも以上に応援してい
たのですが、その彼のトライの時には、ダミーパスでO’Connor君を振った
瞬間に「きゃーっ、スミスー!!」とかって思わず立上がって頭上にフラッ
グを掲げました(が、ふと気がつくと、シルバーファーンが逆さ向いてま
した)。
O’Connor君は、前の試合(Tri Nations最終戦)での出来の悪さをいまだ
引きずってるかのような印象だったなあ。若者よ(O’Connor君に向かっ
て)、失敗を恐れず大胆にね。君の良さの一つはその、気の強さなんだか
ら。Wallabiesは、楽しみだったBarnesが来日後の練習で足首を痛めてメ
ンバーからはずれてしまい、ミッチェル君もスターターじゃなくて、おま
けにベンチも遥か遠かったし、あまり関心もなく(失礼)ABsのほうばか
り見ていましたが、例のオールブラックスコールやら点差が開いて来た事
もあって終盤はちょっと、ワラビー頑張れモードになって見ていたのです
が、O’Conner君だけでなく全体に元気が無いというか精彩を欠いてた気
がする。最近キレキレのアシュリークーパーはこの試合でもとても良かっ
たけど。
試合が終わった後は、スクールの子供達に“指南”までしていたサイン
ゲットの機会も無く(Richie始めメンバーの殆どは表彰式が済むや否や
サッサと引き上げてしまった)、僅かに4人ばかりのメンバーが競技場を
ぐるーっと歩いて手を振ったりしてくれていたのみでした。
本当は、私のいた席から、というか、試合後そこより少し左の最前列(手
すりの所)の場所に移動していたので、その場所からならば、用意周到に
持参した「紐とクリップ」でサイン用台紙とマジックを吊り降ろして、
例えばNonu(実は私、2003年W杯の試合時に彼が携帯かけながらチャラチャ
ラしていたのがずっと印象に残っていて好きな選手じゃなかったのですが、
今回、ABsのオフィシャルサイトでの日本滞在中のvideoでホスト役を務め
ていて、フレンドリーだしファンとの交流もしっかりやっているようだっ
たし「いいヤツじゃん」と認識を改めました)やDonnelly(ナイス・ジョ
ブでした)といった、歩いて回っていてくれていた選手達にサインをもら
う事は十分に可能だったのですが、ここで又失敗。
以前Latuさんのサインをゲットした時、ただの白い台紙ではなくて本人の
写真を貼付けた用紙で成功した(No.44)のに味をしめ、今回も、Richie、
DC、Smith、Brad Thorn、Zac Guilford、それぞれの写真を貼った“専
用台紙”を一生懸命手作りしました(力が入ってます)。もちろんそれ以
外の選手にも機会があったらサインをもらえるようにと“オールマイティ
版”の台紙も持っていたのですが、Richie、DC、Smith、Brad Thornらが
早々とスタジアムから立ち去ってしまい、私としては「Zacだけは逃してな
るものか」みたいな気合いで、ピッチに残ってタッチフットなぞしている
彼を注視しつつ、「紐とクリップ」の先に“専用台紙:Zac版”を取り付け
て待機していたのでした。
そこにNonuやDonnellyが来てくれたところで、まさか、他人の写真を貼付
けてある台紙を吊り降ろして「サインして」と言うわけにもいかず、「あ、
あ、待って、あ、別の台紙、別の、えーと、ここに入ってるんだけど‥あ、
あ、行っちゃった‥」になってしまったのでした(失敗2)。
今私の手元には、使われなかった写真入り台紙が山のように残っていま
す(爆)。写真入台紙のほうは、まあ、裏側を再利用できない事もないの
だが、問題はカードだ(あげる相手がいないカードほど使えないものはな
い)。子供達に、 「サインもらうだけじゃなく、こちらからも“頑張っ
て”というカードを手渡してあげようね」などと言った手前、私も作った
んですよ、カード。寸暇を惜しんで(笑)。
というわけで、“使えない”カードは今となってはただのゴミ、なのです
が、せっかく心込めて書いたから、記念に取っておこ(‥侘しい)、と
思ってます。
ではこの辺で。(次回に続く?)
2009/11/03 佳
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