No.5 私とラグビー
第1回W杯(のAll Blacks)でラグビーに目覚めた私は、W杯後の北半球Five
Nations(現在はEngland,Wales,Scotland,Ireland, FranceにItalyが新たに加わったSix
Nations)を見て、すっかりScotlandびいきとなりました。(余談ですが、第1回All
Blacks優勝や第3回南ア優勝に比べ第2回Wallabies優勝の記憶が私には殆どなく、「何故だっけ?」と思い返してみると、どうも「Scotland命!」と応援に力が入りすぎ、Scotland敗退以降、頭が真っ白・・・だったようです(笑)。)
第2回がそんなんですから第1回はもちろん第3回の時でさえ今にして思うと、W杯といっても、特定チームや優勝国に「ひや〜」、「はあ〜」(注:ためいき)とただただ感心するだけだった気がします。ですが、ラグビー観戦歴を積む内、段々と「〜(Scotland)しか眼中にない」とか「強いチームにしか興味がない」というのではなく、「とにかく世界のラグビーを見るのが好き」「強いチームというよりは、いろんなチームを見る中で、良い選手や良いプレーを“発見する”のが愉しみ」という境地に成長(??)でき、注目していたり好きだったりするチームはあるにせよ興味がそこだけに絞られるような事はなくなって、自分なりに良い選手や良いプレーを“発見できる’’ようになってきました。第4回W杯では勝敗予測をしてみましたが、All
Blacksの準決勝敗退(←これは想像もしなかった)以外は、Wallabies優勝やJAPANの戦績を含めてかなり正確に予想できました。それからMVPも(日本のTV中継解説者小林深緑郎氏の「MVPはおそらく○○でしょう」という言葉を聞き)「いやいや、豪優勝の立役者っつ〜たら(○○ももちろんよかったけど)やっぱりこの人でしょ!!」と思ったその人が選ばれたので、「見る目」にちょっと自信を持ちました。ちなみにそのMVPはティム・ホラン。大変有名な人ですが、私は(第2回のWallabiesは「記憶にない」し(笑)
第3回も南アの強さばかりが印象的で)あまり知りませんでした.けれどこの第4回W杯では目立つプレーではなくてもとにかく“攻めてはチャンスを作り守ってはピンチを防ぎ形勢をひっくり返す”働きぶりが素晴らしかった.今は現役を退いていますが、「ラグビーマガジン」で彼のコラムを読む事ができます。
さて、Scotlandファンだった頃は毎年のFive Nationsも熱心に欠かさず見ていたのに、最近は録画しておいても見る暇がないと言って放ってある事が多く、第4回W杯以降は南半球の試合をたまに見るのがせいぜいで、北半球の試合となると随分長い間見ていませんでした。去年、第5回W杯の前に、評判のEnglandの強さをとりあえずチェックしておかなきや!と、やっとEnglandの対All
Blacks戦、対Wallabies戦を見ましたが、Englandというのはまあ、面白いラグビーをするチームではなく(笑)そのEnglandを頂点とする北半球ラグビー…というイメージがあり、他の北半球チームヘの興味も薄かったのです。でも第5回W杯ではそのEnglandが素晴らしかった。そしてEngland以外の北半球の地力(特にIrelandとWalesの印象は強烈)も見せつけられました。※このあたりの感想はW杯開催中の観戦記にも書きましたので読んでもらったと思いますが、ここ数年ろくに北半球のラグビーを見てこなかった事を反省しこれからできる限り色々見ていこうと心に決めました。
もちろん北半球以外の各国も(全試合を見たわけではないですが)W杯の名にふさわしい戦いぶりだった様に感じます。が、“善戦”を報じられたJAPANは、私に言わせてもらえば大いに不満がありました.セレクションや体制等への不満はさておくとして、選ばれたJAPANスコッド達が本当に「W杯にふさわしい戦いぶり」をしていたか「?」です.日本人選手は(全員がとは言いませんが)他国の代表選手に比べそもそもW杯への“気構え”が足りない気がする。
気構えとは、つまり誇りというか決死の覚悟というか…。すごく時代錯誤的な論に聞こえてしまうかもしれませんが、ラグビーはそういうハート&スピリットがプレーに特に反映されるスポーツだと思います。W杯のJAPANで私が一番この気構えを感じたのは外国人選手達でした。
とりわけパーカー選手の奮迅ぶりは、間違いなくJAPANのMVP!と思ったのです。が、しかし、それ程に“お世話になった”パーカー選手なのに、W杯後は所属チーム事情で全く活躍の場を与えられず契約更新もなく、この春彼は日本を去った(※との事でしたが、6/30対伊戦に彼の姿があり、NTT東日本への加入が判明しました)。…これって、めちゃくちゃ情けない事だと感じます。日本のラグビー界は一体何を考えているのか?!って・・・。まだまだ力量不足の選手が簡単に人気や注目を集めて「評価」され、その一方で、パーカー選手のような誰より「評価」されるべき選手が、正当な敬意や賞賛もないまま解雇され忘れさられる。結局、日本は、本当にラグビーを愛する態度、ラグビーを理解する土壌、というものが「まだまだ」なんだという事ですよね。だから、2011年のW杯を日本が開催するなんていうのは絶対よした方がいい。そんな資格はないと思う。
第5回W杯に話を戻します。私は一応“Wallabiesファン”(’99W杯yearの<ラーカム,ホラン,チューン,バーク>以来。 ←FW好きの私なのにBKがずらり!(笑)イールズも凄かったけど、第4回大会優勝のWallabiesは「やっぱBK!」でしたよね)としてこのW杯(今回のイチ押しはマット・ロジャース)を迎えました。な・の・に・(この辺の事も少し観戦記に書いていますが)準決勝でWallabiesがAll
Blacksに勝った時、というか、All Blacksが決勝に残ることすらなく敗れた時、自信に溢れ歓喜に満ちた会心のWallabiesよりも、どうしようもないほど(「同じ負けるにしてももう少しマシな負け方があるやろ?」と言いたくなるくらい)情けなく見えたAll
Blacksの方が、ずっしり、と私の中で存在感を増してしまったのです。ある意味“衝撃的な負け方”(敗戦自体が衝撃だったのではなく負けっぷりがあまりに脆くてショッキング)だったんですよね。そのせいでAll
Blacksに今迄になくひきつけられてしまいました。
A11Blacksが気になるもう1つの理由はRichie McCaw。
<世界一のオープンサイドFL>にはもっと華やかな選手を挙げる人も多いでしょうけれど、私の好み(=運動量が多くデイフェンシブで地味だけど熱くてひたむき!なら彼。’01年にAll
Blacksデビューしていたのに、先に書いた様にここ数年、あまり試合を見ていなかったので、私が初めて彼の存在に気づいたのは去年W杯前のTriNations(NZ,豪,南アの南半球3ケ国の対抗戦)。「やたらよく走るFLがいるなあ」と印象に残ったので、W杯でも注目して見ていました(ら、働く働く(←笑))。で、ますます感心してW杯後にSuper12を(これまで録画してるだけでちゃんと見たことがなかったのに今年はRichie
McCaw見たさにようやく遅ればせながら)ウォッチしたらいよいよシビれ、6/12のEnglandとのテストマッチでもグッときて…と、もう、Richie
McCawのいないラグビーなんて考えられない(←我ながら笑える)。どうやら少なくとも次のW杯まではRichie
McCawとAll Blacksを応援していく事になりそうです。
Richie McCawと出会って1年。昨夏の大会は全勝で連覇を遂げ、秋のW杯では桁違いの速さうまさを見せつけながらもひ弱ささえ感じさせる敗北を喫したAll
Blacksが、今年の大会ではどういう闘いをするのか…、Wallabiesも(マット・ロジャースは負傷中ですが)充実しているし、南アも凄く勢いがあるし、間もなく開幕のTriNationsは例年に増して面白くなりそうです。
これからもますます世界のラグビーからは目が離せません。
04/07/07 佳
今回は、2004年7月のスクールニュースを再収録したものです。 HP管理者
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