No.4 第5回W杯を振り返っての「ベストシーン」
今回も少し時間を巻き戻して、去年(2003年)のW杯のお話です。
今大会を振り返っての「ベストシーン」(あくまで私の趣味と独断)を選んで
みました。
◎ベストチーム:England
4年前の大会でいかにも若くて初々しかった(今もまだ若いけど)「ウィル
キンソン坊や」がすっかり「世界のウィルキンソン」となり、ものすごいプレ
ッシヤーに負けずについにエリス杯を手にした姿は、Englandファンでなくて
も賞賛の拍手を送りたくなるものでした。当然それは他のメンバーあっての事
だし、特に決勝での迷いのない戦いぶり(絶対、皆で話し合い「これでいくぞ!
」という戦法を納得して決めてお互いを信頼してやっていたと思います)は、
あっぱれ!England!という感じでした。
◎ベストゲーム:決勝
ジリジリするような緊迫感!「面白くない」と言われるEnglandの試合です
が、このW杯では結構手に汗握る好ゲームが多かったと思います(※後述)。
言い換えればEnglandは決して楽に勝ち上がってきたわけでないという事で
(ベストパフォーマンスじゃなくても圧勝できてしまったNZと対照的に)、そ
れがEnglandチームをより強くし、又優勝の価値を高めたとも言えます。尚、
Ireland対豪戦(※これも後述)も忘れがたい試合。
◎ベストトライ:
つなぎのトライならば、Walesが対England戦で挙げた自陣からのトライと、
Englandが決勝で挙げたトライ。いずれもラストパスが絶妙だったのと、トラ
イをとる!という執念が防御にまさった点が共通していると思います。
個人技のトライならば、IrelandセンターB.オドリスコルが今回のW杯で挙
げた3つのトライ。3つとも何となく見ていたら一見あっさりとしたトライに見
えてしまうかもしれないけど、実は、並みの選手だったら、オドリスコルじゃ
なかったら、きっとタッチに出ているかノックオンになっているか押さえきれ
ていないか、とにかく多分トライにできていないだろうと思われる“鳥肌モノ
”の技でした。
◎オドリスコル&Ireland
世界一のCTBとIrish魂 → 器用さ、力強さ、素晴らしいバランス。非常に
ディフェンシブでもあり、しかも技巧派にありがちないわゆる“軽いプレー”
の対極というべき真撃なプレー…。大会前半こそ物足りなかったオドリスコル
ですが、豪戦、仏戦で実力を発揮。そしてオドリスコルは勿論、Irelandとい
うチーム自体がすごくひたむきで熱くて(“闘将”キース・ウッドには脱帽ど
ころかひれ伏したくなります)、特に対豪戦は今回のW杯で最も“グッとくる
”ゲームの内の1つでした。豪ファンの私がIrelandに向かって「行け〜!!
頑張れ〜!!」と思わず拳を握りしめながら叫んでいたくらい。(対仏戦終了
後の円陣も泣けた。)
◎その他、印象に残ったチームと試合
予選敗退チームの中ではIrelandに1点差で敗れたアルゼンチン(この試合
では観客の声援が圧倒的にIrelandに大きかったため私としてはアルゼンチン
に肩入れしていたので残念でした)が、本来なら決勝卜一ナメントに進むカが
十分すぎる位あるのにと思え、本当に惜しいチームでした。それからEngland
相手に鮮やかなラグビーを披露したサモアもすごくカツコ良かったです。
→ 予選を勝ち進んだ8強の内、決勝トーナメント初戦の準々決勝で敗退し
た4チームは、結果だけ見れば戦前の予想を覆せなかったわけですが、相手の
「楽勝」が予想されていたScotlandやWalesが前評判を裏切る素晴らしい戦い
ぶりで準々決勝を<消化試合>ではない熱戦に盛り上げていました。特にWalesはEngland相手にトライ数で3対1、見事な内容の攻撃(尤もそれでも勝
ってしまうところがEnglandのしぶとさですが)。この善戦に、北半球ラグビ
ーの今後益々のレベルアップが期待されます。
◎最後に:
今回敗れましたが南アも含め豪もNZも間違いなく世界のトップレベル!そして
敢えて名前は出しませんが私の大好きな選手ももいる・・だからやっぱり「南
半球、次は頑張れ!」
2003年11月 佳
今回は、2003年11月のスクールニュースを再収録したものです。 HP管理者
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