かよこのノート

 No.43 工大高、花園へ

 遅くなりましたが工大高と啓光学園との大阪地区決勝を見ました。
まず、ありふれた感想ですが「これが地方大会だなんて、ホントもった
いない」。いや全国大会でももったいない、お金払って見させてもらわな
きゃ(「お金」なんて言うと語弊があるかもしれませんが)という気がす
る位の、見事な試合でした。
 最後の最後までどう転ぶかわからないどっちが勝ってもおかしくないゲー
ムで、終盤、啓光の攻撃が素晴らしく、トライが決まってコンバージョン
が入れば逆転、の状況でした。うん、普通はあの流れだったらそうなるパ
ターン。啓光、惜しい! これだけ力のある選手達が花園に行けないなん
て無情。しかし、工大高の気迫のディフェンス‥カッコ良かった‥感動し
ました。
 いやあ〜、ちょっと、すごいかも、工大高。毎年見てますが、例年にな
く(笑)イイですよお。何か工大高って、いつも「‥もっと力出せるんだ
けどなあ」と感じるところがあって、まあそこが(前に書いた事がありま
すが)「次、頑張れよ」と応援したくなる面だとはいえ、「もうちょっと
最初からピシッとした試合してくれ〜」とぼやくのが常だったのですが、
ブンブンッ!←注:首を横に振り回している音=いやいやなんのなんの
「最初からピシッと」してるぞ!(笑)
 これ迄になくスピードがある(特定選手の個々のスピードということだ
けじゃなく、プレーのスピードそのものが格段にアップしたように思いま
す)し、しかも、そのスピードとスタミナが最後まで続いてる! 最初か
ら最後までピシッとしている工大高なんて夢のよう、いえ真面目な話、あ
れだけFWが走ってくれると嬉しくなっちゃいます(BKもキレと集中力があ
り素晴らしかったですが、FW好きなのでついつい、ご免なさい)。う〜ん、
安曇野でもやっていたあの練習の効果は絶大ですね、野上さん! パチパ
チパチ。
 それにしても、新チームのスタートでどん底に落ちて以来、「今年は弱
い」と言われてきたあのチームが、本当によくここまで頑張ってきたなあ、
そう思うと感慨深いものがあります。なおかつ、これは毎年工大高の良さ
なんですが、決してもうこれがギリギリって感じじゃないんですよね。計
算尽くした(だけの)強さ/(予想通りの)隙のなさ、っていうんじゃな
くて、まだまだ思いがけない力を見せてくれる、もっともっと伸びてくれる、
と信じられるところが工大高には何故だかいつもある。うまく言えません
が、せこくない、つまり『どーだ、これで完璧だろ!?』的な、変に老成し
たようなところがまるでなくて、純粋。そこが好きなんだなあ。
 今年のチームは特に、「このチームの力だったらここまではいけるだろ
う」とか、逆に言えば「ここまでだろう」とか、そういった予測なんかか
ら、ポンッと飛び出しちゃってる感じがします。だから私も、あとはあま
り余計な事考えずに応援したい。応援する側としても、欲も気後れもなく
無心に応援して、気がついたら優勝してた、になったら最高だな、な〜ん
て、不純な欲を出して余計な事を想像してます、は、は、は。
 たくさん苦しんだ分、弱いと言われた分、強くなっていいプレーをする
事の喜びやいつもの年にも増して「花園」でラグビーができるという事の
幸せを、彼らはしっかり感じていると思う。支えてくれる存在や、自分達
の陰になっている存在、皆の思いをきちんと受けとめてそして新たな力に
して、一戦一戦「ベストゲーム」をして下さい。       

                        
                            2007/11/22佳
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