No.58 All Blacksの<最初の一歩>
安曇野から菅平。工大高‥又間違えた‥常翔学園高に浸っていましたが、
よくぞこの間Tri Nationsが休みだったものだ(もし8月9日に南ア対NZが
あったりしたら浸りきれなかったかも)、と日程に感謝したい。16日、常翔
応援を終え菅平から降りたその晩、SpringboksのHomeで第6戦。
試合前。All Blacksが、(原則として)ホーム(NZ)での重要な一戦の
前にしかやらない(ということになっている)、Kapa o Pango をやった!
第5戦もそうでしたが、“負けられない気持ち”のあらわれ、が、たのもし
く嬉しい。
キック・オフ。All Blacks、強い!
2週間前の話に戻りますが、HP管理人のIさんもTri Nations第5戦を御覧に
なったそうで、「(日本語の)解説で、“Richie McCawが出ると出ないと
ではだいぶ違いますねえ”って言ってましたよ」。首をかしげて「‥そうい
う問題じゃあないと思うけど」という私に、Iさんも「そうですよねえ」。
二人して「誰々が出たから勝てる、ってなモンじゃないですよねえ」と声を
揃えていました。が!第6戦の彼は凄く良かった。もちろん単に“Richie
McCawがいたから勝てた”のではないけれど、かなりの貢献ぶり。何回ブ
レークダウンに真っ先に飛び込んで行っただろう、何度大男達の中の一番下
敷きから起き上がってきただろう、抜かれそうな場面、何人タックルでしと
めただろう。当たって、突き進んで、走って、倒し倒され、又立ち上がって
又走って、反応して、食らいついて、からんで、奪う、取り返す。‥見事。
彼以外のプレーヤーも皆とにかくすごい運動量/仕事量で、しかも、単に「
よく働いて」「仕事をこなしている」だけじゃない果敢さがイイ。ミスやら
劣勢やらに“ひるまない”ところが。ABsって、勝ち試合でも力強さよりは
上手さが印象に残る事が多いけれど、最近のこの第5戦6戦とは、何と言うか
“意志的な強さ”が伝わってくる。よく言う“精神的に強い”、というのと
もちょっと違う(ような気がする)んだけど、したたかな強さを感じます。
終盤迄スコアが開かなかったので、どっちが勝ってもおかしくないゲーム
だったと言うべきでしょうが(何が根拠かと問われると説明しにくいけれど)
信頼して見ていられた。DC(流れを完全にABs側に引き寄せた、ベストトラ
イに挙げられそうなプレーがありました!)がゴールキック4本連続はずし
た時も、けっけっけっ(珍しい光景が見られるなあ)と笑っていられました。
Springboksとの差が、技術的なものというより、この、意志的な強さだと思
える事は、大きい。抜群に優れたチームなのに脆さがつきまとっていた、そ
のAll Blacksが、ここにきてしたたかな強さを身につけつつある。このまま
行けば、ものすごく充実した最強チームになるかもしれない。
と考えていて、‥んーっ、4年間は長いぞお‥と、小さく溜め息をついて
しまった。W杯の去年に、どうしてこのしたたかな強さが出てこなかったん
だろうか。次のW杯迄、まだあと3年。「今」、最強のチームになれても、「
2011年」までずっとその強さを持続させられるのか、とても難しい事だと思
う。でも、もう、やるしかない、んだよね、彼らは。これから丸3年以上の
間には、障害や挫折もあるのだろうけれど、そのたびにそれを糧にして更に
強くなれ。そして今度こそFINALの舞台に立って、ひるまず、したたかで果
敢な闘いをしてほしい。
Tri Nationsは、その長いレースの最初の一歩、なんだと思う。
2008/08/17 佳
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