No.155 最終回
元は手書きの「スクール通信」に書いていたラグビーについての文章の幾
つかを、スクールHP設置時に管理人さんが転載して下さった事から始まっ
たこのコーナー。
楽しみに読んで下さる(奇特な)かたもおられたりで誠に有り難く、又、
喋るのは不得意でも書くのは苦にならない私自身とても楽しんで、これま
で長きにわたり書かせてもらってきたのですが、思うところあり、今回を
もって終わります。
実は、Six Nationsの凄さに、この決心が揺らぎまくったのは事実ですが
(=書きたい!という欲求が・・爆)、まあ、そこは、コホン、いやいや
やはり、と。
えー、並べたてれば幕引きの理由は幾つも出てくるのですが、一つには、
これ迄も何度か言い訳のように書いてきた通り、不特定への公開を前提と
してではなく、個人的なおぼえがきみたいなつもりで書いているに過ぎな
いので、「本来の姿に戻ろう。自分で感じたことなら自分のノートに綴っ
ていればいいじゃないか」と思ったからです。
そしてもう一つ、タイミング的な事でいえば、この出来事が大きかったで
す。
昨年のW杯で遂にNZが優勝した(前回の原稿)その1週間後、ある選手が重
いケガを負いました。このまま「ノート」を公開し続ければどうしたって
彼の事に触れないわけにはいかないけれど、それにはためらいがありまし
た。
むしろ、彼がもう一度ピッチにたてる日が来るまで「ノート」を封印しよ
う、と思いました。
つまり、当初は、終了、というより、無期休載、という感じの考えもあっ
たのですが、いずれにせよ少なくともこれ迄と同じ形で書き続ける事はや
めにします。
感じた事を書きとめる、という事自体は今後も続けていくつもりなのです
が・・。
あと、避けて通れない、というより、避けたくないのが、原発の件です。
過去4回くらいどさくさに紛れて書いてきましたが、これからも私が何かを
書くとしたら、「反原発」、これを抜きにって事はあり得ず、で、それを
こういう場でこれ迄通りっていうのもどういうものかと思った次第です。
ところで、そんなわけでこのコーナーにふさわしからぬ内容だと百も承知
なのですが、最後だからこれだけは、と勝手に許してもらう事にして、
原発国民投票への疑念について書いておきます。
昨年5月か6月に遡りますが、「みんなで決めよう「原発」国民投票」の会
なるもののHPが開設された時、(白状すると期待を抱きながら)覗いてみ
て、早速掲載されていた市民案(諮問案)を読みました。
するとそこには、“<想定される案件>について、各項目の選択肢から
一つを選択する方式をとる”、とあり、以下のような項目と選択肢が書か
れていました。
現在ある原子力発電所について、これをどうすべきだと考えますか?
□ 運転、稼働を認める
□ 段階的に閉鎖していき、2022年までにすべて閉鎖する
すぐに私は「なぜ、段階的閉鎖なのか」と思い、HP宛にコメントを送りま
した。受け身の情報を受け取るだけでなく自分でちょっとでも調べている
人ならば、今すぐ原発を全てやめても電力は足りる、という事など承知の
はずだし、「みんなで決めよう「原発」国民投票」の会の人達だって当然
そうでしょう。なのに、なぜ2022年? なぜ10年も先?
コメントには何の回答もなく、その後、コメント自体も削除されてしまい
ました。
日本の原発全54基の内、今や稼働中のものは僅か3基(2/20には2基に)。
最後に定期検査を迎えるのは北海道泊3号で、その期日は4月末。つまり4月
末には国内の原発がすべて停止する。
なら、あとは皆で『一基たりとも絶対に再稼働させない』・・それで良い
じゃないか? というか、そこにこそ、力を集中させるべきではないのか?
なのに、仮に、4月にすべての原発が停止した後に国民投票が実施されたと
して、そこで「段階的に閉鎖していき、2022年までにすべて閉鎖する」が
多数となれば、2022年までに少しずつ減らしていけばいいんだから、と、
再稼働させるというのか?
設問が現在のまま、もしくは 1 運転、稼働を認める 2 段階的に閉鎖
していく 3 即時全廃する の三択になる場合には(百歩譲って国民投票
をどうしてもやるっていうんなら、1 認める 2 認めない=1 存続
2 廃止 の二択しかありえへんやろ、って思うんですけど・・)、恐らく
「段階的閉鎖」が「国民の意思」となる事が予測されるので、結果的に原発
再稼働容認になってしまい、原発存続への道を築くことになりかねない、
こんなアホな運動にエネルギー費やすくらいなら、まずは再稼働阻止でしょ
う。
そもそも、これ、「反原発投票」じゃないし、当然反原発署名でもないし。
署名している人達、わかってんのかなあ、と思う。
確信犯は別として、多くの人達は純粋に良かれと思ってやっているのだろ
うけれど、よーっく考えてほしい。
ついでに書いておくと(しつこくてすみません。最後なので許してね)、
脱原発の流れの中で、多くの人達が、「代替電力は再生可能エネルギーで
あらねば」とか「太陽、風力、地熱・・だったら再生可能エネルギーだから
OKよね」とか思わされちゃっているようなのも気になる。
5月にNo.144を書いた時、影響力のある著名人が反原発の旗頭になってほし
い、と愚かにも思っていたので孫さんをとりあげたけれど、1ヶ月後No.147
に書いたように、私はメガソーラーとか大規模電源開発には反対。
思い込まされたり、欺されたりしないよう、よく調べ、よく確かめ、
よーっく考えよう。
それでも判断を迷ったり間違う事も多々あるけれど、気づいたら反省して
やり直さねば(←自戒)。
偉そうに聞こえてしまうでしょうが、皆さんにもぜひ、よくよく考えて下
さい、という事をお願いしておきます。いつの時代にだって自分の言動に
責任を持つのは当然でしょうが、特に、今後益々、覚悟を持って生きる事
が必要になってくるように思います。
例えば、
橋下さんだったらやってくれそ〜、と期待して投票しちゃったけれど、
「マズイぞこれは」、と思ったんなら、あーあ、と諦めて終わりじゃなく
て、しっかり立ち向かってほしい。
私自身は、テストマッチで国家斉唱する際、ちゃんと起立して帽子もとる
のだけれど、正直言って、それは、わざわざその場で「こんな国歌うたえ
るか!」なんて騒いで周囲の人達の気を害する事もなかろうという程度の
ことです。
「君が代」で起立したくない「日の丸」に敬礼したくない人がいたって、
それが他人に著しく迷惑を及ぼすのでもない限り構わないじゃないか、っ
ていうか、それくらいの許容が出来ないでどうする、と思う。
その点、天皇陛下は「強制はいけませんね」って。
おお、天ちゃん(笑)、さすがに民主主義がよくわかってる。
今時、道歩く人達に、民主主義とは?とたずねたら、10人中8人くらいが
「多数決」って答えそうなのが心底恐ろしいのだけれど、ホントに民主的
な世の中っていうのは、少数の声や立場にきちんと耳を傾け配慮する世の
中の事です、よね。
そんなこと、遙か昔(大阪での)小学校時代に教わったものだけれど、
かの橋下市長殿(も同じ大阪で育ったはずなんだけどな)の方針下では、
そうした教育など望むべくもないのだろう。
だから、(このノートではないところで)、「主流」の声、強い力、大きな
モノ・・などなどに、抗っていこうと思います。
今まで読んでいただいた皆さん、有り難うございました。
17 Feb.2012 佳
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