No.3 W杯が閉幕しました(淋しい…)(v_v)
今回も少し時間を巻き戻して、去年(2003年)のW杯のお話です。
W杯が閉幕しました(淋しい…)。
NZ All Blacksは、3/4位決定プレーオフで「ぶっちぎりの強さを見せる」迄
には到りませんでしたがとりあえず3位をキープして、<勝率>としては及第
点、<得点カ>でもW杯トライランキングトップ3を独占し(ハウレット,ム
リアイナ,ロコゾコ)、何とか面目を保った形です。
決勝は、地元の大声援を受け勢いに乗り連覇を狙う豪Wallabiesと、ここ2シ
ーズン程負けなしの強さで開催前から<優勝候補筆頭>との評判の高かった
Englandという垂涎の好カード。実は私はWallabiesが世界に誇る両FLスミス
&ウォーのスピードとターンオーバー能力であれば、さすがのEnglandもボー
ルキープに苦労するのではないかと予測していたのですが、いやあ〜、あのス
ミスとウォーが弾き返されていました(ビックリ)!正に「白い壁」!しかも
30代が多い「おじさんFW」(笑)なのに、若いWallabiesのFWを上回るスタミ
ナで最後まで動き回っている(再びビックリ)!おみそれしました、という感
じでした。
これまでずっとEnglandはつまらないラグビー(強力FWでごりごり押し込み
ウィルキンソンのキックで得点するパターン)と言われてきました。確かに華
麗さや意表をつくプレーといったものはなく、普通の試合では「面白くない」
かもしれませんが、少なくともW杯のように一発勝負といった状況での
Englandの試合は、非常に緊迫感があり面白かったです(結果を知っていて録
画で見たらあまり面白くないかもしれないけれど)。オーソドックスな、ひた
むきというよりむしろ「愚直」という印象さえ受ける攻撃と防御が、襲いかか
ってくる相手チームのカを何故だか徐々に奪い取っていく(あれだけ大胆で強
気なWallabiesが段々“逃げ”のプレーをせざるを得なくなっていくのはまる
で魔法を見るようでした)、勝負のかけひきというか勝負どころの凄みが素晴
らしかった。特に決勝の戦い方にはチームの信頼感がすごく出ていました。
Englandが内容では圧倒しているにも拘わらず、あきらめないWallabiesに
驚異的な粘りで食らいつかれ、何とか加点して楽になりたいのに「Mr.
Perfect」ウィルキンソンがDGを2本はずし追加点ならず、ノーサイド直前に
ペナルティキックでWallabiesに同点に追い付かれる!という、Englandと
しては天を仰ぎたくなるような展開にも、「嫌な予感だ」「ああ、駄目かもし
れない」みたいな雰囲気にならずに(ここが先日のAll Blacksと違う強さ!)
、見事な結束カを感じさせてくれました。延長戦に入り、先制して逃げきれる
かと思われた時またもやWallabiesが同点に(Englandには悪夢のような、観
客には最高にスリリングな展開)!そして、2ラウンド目の延長戦へ突入かと
いう寸前、ウィルキンソンの「待ってました!」のDG成功!!…
これほど感動的なドロップゴールはかつてなかったと言ってよく、語りつが
れる優勝シーンになるでしょう。
あの瞬間、もう、状況としては観客もWallabiesも「くるぞ、くるぞ」とわ
かっていて、観客は固唾を飲んで、そしてWallabiesは必死で防ごうとしなが
ら−しかし実際にはなす術なく、Englandのメンバーが大切に大切に運んで託
したボールをウィルキンソンが手にしてドロップキックを蹴るその行為を見守
っていた…ウィルキンソンの正に一挙手一投足を皆が注視していたスローモー
ションの世界のようでした。珍しく喜びを爆発させるウィルキンソン達
Englandチームの姿は、微笑ましいと同時に長かった道のりを感じさせ、胸に
迫る光景でした。
かくしてエリスカップはラグビーの母国へ。熱闘の余韻に浸りつつも、一層
の激戦が繰り広げられるであろう“4年後”が、もう今から待ち遠しい気分で
す…。
2003年11月 佳
今回は、2003年11月のスクールニュースを再収録したものです。 HP管理者
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