No.8 テストシーズン真っ最中
「・・・<本気>で取り組まなきゃ、JAPANはいつまでたってもAllBlacksと“ちゃんと見応えのある試合”ができるようになれないと思います。(No.7記)と書いてから約1ヶ月半、北半球でのテストマッチシーズン真只中です(初夏には北半球の国々が南半球へツアーを組み、この時期は逆にNZ、豪、南ア、アルゼンチンが北半球へ遠征します)。Tri
Nationsで優勝を飾った南アは、Ireland、Englandに連敗。England対南ア(垂涎のカードが目白押しなのにスカパーではEngland対南ア戦、対豪戦の2試合しか放映予定がない(+_;))を見て「England強し!!」と唸らされましたが、そのEnglandが豪に敗戦(尤も、ゴールキックが悪かった結果であって、Englandの強さは『本物』だと思いました)。豪は仏に敗れていて、この仏に勝ったのが、Tri
Nationsで最下位、仏戦の前週にはWalesに1点差で辛勝し、「やれやれ」と胸をなで下ろしたNZ・・・。すごい混戦です。Italyと、残念ながらScotlandは、少しだけ力が落ちるように思いますが、England、Ireland、Wales、FranceとNZ、豪、南アとは、「もう1回戦ったらどうなるかわからない」、或いは(今回の敗者が)次に対戦するときは少なくとも「もしかしたら」勝てるかもしれない、というくらい接近した力関係だと思います。そういう、興奮と緊張感をはらんだテストマッチシーズンの欧州に行ったわけです、JAPANは。
JAPANの遠征発表を目にした時、私は正直「・・・恥ずかしいからやめて〜」と思ってしまったのですが、大恥をかくこと承知の上でともかく鍛えに行く!と覚悟を決めて出陣したのならまだしも、“今回の遠征でアピールして'11年W杯の日本招致に弾みをつけたい”というようなコメントを首脳陣が出したと聞き、そのおめでたさ加減にほとほと呆れました。日本に住んでいるラグビーファンの一人として、JAPANの事は応援したいし強くなって欲しいと願っていますが、現在の(従来の)体制じゃ駄目ですね。こういう場で特定の人の名前を挙げるのは中傷になるので避けますが、我慢できないくらいひどい。一つだけ言わせてもらえば、最も反省すべきなのはメンバーではなく、メンバーを選ぶサイド(それを認めてしまっているファンも含めて)でしょう、選ばれたメンバー達はそれぞれそれなりにやっているのだろうと思います。問題なのは、強い弱い/上手下手のレベルというよりも、弱いのに、強くなるための準備や志なしでノコノコ出ていく(出て行かせてしまう)日本ラグビーの体質だと思います。W杯でJAPANが一勝でもできると予想した(「全部勝つつもりで行く」のと、実力を見誤って「勝てる」と信じるのは全く別です)ジャーナリストや、今回の遠征のJAPANに「本気で期待」できてしまうファン達・・・そういう人達も含め、協会や代表関係者・・・、皆、あまりに認識が甘いと思います。認識の甘さ即ち意識の低さ、これを変えない限り、JAPANが欧州や南半球の強豪国と「もしかしたら勝つ」可能性のある試合ができる日が来ないでしょう。せめて前回書いたパシフィックバーバリアンズのように、勝敗はともかくとして見応えのある試合をしてほしいと心から思います。勝利という結果が出なくてもそれは恥ずかしいことではないけれど、代表の名にふさわしいメンバーを選べないとか、テストマッチに臨む心構えが不足していたりするのは本当に恥ずかしいことです。
ところで、“パシフィックバーバリアンズ”について、前回、“今なら更にスケールアップしたメンバーが揃いそう”と書いてしまいましたが、この表現だと当時のメンバーの力量が現在の在住外国人選手に劣るようと言っているようですね。“今なら更に層の厚いメンバーが揃えられる”というのが正確でした。当時の“パシフィックバーバリアンズ”もそうそうたるメンバーです。'03W杯の私の(JAPAN)MVPはパーカー選手だと前に書きましたが、'99W杯では豊田自動織機に所属していたスミス選手でした。もちろん“パシフィックバーバリアンズ”にも参加し、いいプレーを見せてくれました。ここからはまた少し、この時の話をしたいと思います。
4年前のAll Blacks来日。同時期に、実はWallabiesも来日したのですが、メディア露出は、All
Blacksが前年('99)W杯を制したWallabiesを上回っており、当時Wallabiesファンだった私は「なんで、All
Blacksの試合のTV放映があるのにWallabiesはないのよ〜!!」と怒っていたくらいで、All
Blacksに対して特別な関心はありませんでした。ロムー&ウマンガの二人がダントツ人気でしたが、今になって思うと彼ら以外にもブラッカダー、ランデル、マックスウェルといったすごい選手が来ていたので、Wallabiesファンの意地など張らず「生ブラックス」を見に行っとけば良かったな、とちょっと後悔しています(ちなみにその前の来日時←※スクールの皆がまだ生まれていない頃です!(^^)は、大はしゃぎで見に行きました)。チャリティマッチのメンバー表を見直してみると、今もAll
Blacks(の可能性あり)という選手は3割程度。そして、それを上回る選手が現在NZ以外の国でプレーしています。しかも日本のトップリーグに来ている人が多くて「ああ、この人もあの時の来日メンバーだったんだ〜」と改めて驚きます。(フラベル選手、ティアティア選手→トヨタ自動車 クリブ選手→神戸製鋼 オハロラン選手→クボタ アラテイニ選手→サントリー)他に、相手チーム(“パシフィックバーバリアンズ”)メンバーとして招待されていた中からもロパテイ選手がトヨタに移籍してきています。皆さん、来日して日本が気に入ったって事なんでしょうか??? そうだとしたら悪い気はしないですけれど・・・。私なんかが単純に感じるのは、あんな素敵な国(←行ったことがないので実際に知っているわけではない)からわざわざ日本に来なくても・・・というような事ですが、まあ、選手の人達には金銭面とか色々現実的な事情があるんでしょうね。
行った事のないNZ。もちろん「行きたいなあ〜」と密かに(でもないか)憧れているわけですが、この間、スクールの練習の時、1,2年生達(一応私はこの学年のメンバーを担当させてもらっています)とおしゃべりをしていると、誰からともなく(注:決して私があおったわけではありません!)「NZ行きた〜い!!」と言うではありませんか!嬉しくなった私も一緒になって「行こう行こう」と大いに盛り上がりました\(^O^)/。どうやら向上心豊かな(!)我がスクールの1,2年生達はおうちでもラグビーのニュースや話題に敏感なようで、NZや豪というのはラグビーの強い国だ、という事をよくわかっているんです。ちなみにJAPANがScotlandに惨敗した週だったのですが、ちゃんとその事も知っていて「日本は弱いじゃん」・・・。言葉に窮した私が思わず「今は強くないけれど、皆が大きくなったら代表選手になって強くしてよ」と言うと、皆で一斉に「うんっ!!」と元気の良い返事をしてくれました(←感激!!何て可愛いんでしょう!!)
そういえば、近頃NZでリリースされたポップソングに、♪When I grow up,I
want to be an ALL BLACK♪(大きくなったらオールブラックスになりたいな)という歌詞があり、「おーっ、さすがNZ!」と思いました。
多くの子どもたちが、いつかなりたい、と憧れる、「強く」「かっこよく」「誇らしい」代表チームを日本も作っていかなきゃいけないですよね。
04/12/1 佳
<追記>
前回「ノート」の後の書き込みで、Richie McCawが“Sexy Sports Star”に選ばれたと知り、のけぞってしまいました。まさかそんな風に人気があるとは・・・(私としては“とっても地味な選手”のファンのつもりでいましたが、すごい勘違いだったんですね)。現実を知った今後はあまり大きな声でRichie
McCawのファンだとは言えないないな〜と思っていますが、ルックスじゃなくて、ホントにいいプレーヤーなんですよ、念のため。
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