かよこのノート

 No.12 トップリーグから日本選手権を振り返って

 「どのチームもベストパフォーマンスをすれば“格上”と目されていたチームに勝てる、少なくとも可能性がある」と、観客にも、もちろんプレーヤー自身にも実感されたのが、04季のトップリーグ(以下TL)だったと思います。もっとも実際の“番狂わせ”はそれほどにはなくて、多くの場合は「もう少しだった」「惜しかった」というものでした。今回TLからの自動降格が決まった2チームも、そういう「あと一歩」の試合が惜しまれます。最終節のワールド対近鉄戦は、どちらも『負ければ自動降格』という状況で、見ていて思わず「…高校生の試合みたい」と(悪い意味でなく)口にしてしまったくらい、熱い戦いでした。キバル選手(近鉄)なんかも特別賞を贈りたいような奮闘でしたが…残念。でも自動降格があるという事は自動昇格もあるわけですし、更に入替戦での昇格チャンスもあるので、来季以降またがんばって欲しいです。
 このようにTLは昨季に比べて飛躍的に面白くなった印象を受けましたが、続いて開幕したマイクロソフトカップ(以下MS杯)は、各チームとも短期決戦ならではのスケールアップしたパフォーマンス(どのチームも外国人選手のプレーがいつも以上に際立っていましたね)で、更に見応えあり!でした。8強のトーナメントなので1回戦は4試合あったわけですが、その4試合すべて、TL順位「下位」が「上位」をリードして(前半)折り返す、1回戦からこんなに面白くていいの?という展開。ここでも結果において「下」が「上」をノックアウトできたのは1試合のみだったのですが、その唯一の下剋上戦となった神戸製鋼VSNEC、これは疑いなく神鋼の(ここ何年かの中の)ベストゲーム。“気持ち”が感じられたよい試合でした。また、前半終了時の26点差をひっくり返したヤマハ(VSクボタ戦)もさすがでした。
 最終的にMS杯を手中にしたのは前評判通り東芝府中で、TLと合わせて2冠を獲得。日本選手権との3冠に輝く可能性大いにありと予想されましたが、昨日の準決勝でトヨタ自動車の前に敗退。東芝は何とも言えない家族的な雰囲気がある好チームだと思いますが、3冠を達成して日本選手権連覇というのは(特別なファンでない限り)あまり面白くもないし(東芝の皆さんご免なさい m(__)m )、しかもトヨタは単に結果において勝てたというよりひるまず挑んで勝ったという感じで、「良かったね」(←知り合いの選手はいませんが)と言いたくなるゲームでした。準決勝のもう一試合は期待はずれの内容(ヤマハの自滅)でちょっと残念。というわけで、週末の決勝はトヨタとNEC(マーシュ選手も復帰する!)の顔合わせとなりましたが、どちらが勝つにしてもチャンピオン決定戦にふさわしい試合を見せてほしいです。
以上、社会人のTL〜MS杯〜日本選手権(決勝を残していますが)を振り返ってみました。
 ところで、大学にはひいきのチームがあるのですが、そのひいきチームの卒業生達が社会人ではあちこちのチームに分散していってしまうので、社会人のチームでさてどこを応援するというのは結構迷ってしまう問題です。数年前某選手(在学中「大ファン」と称し応援させてもらっていました)が卒業の時「今度は○○(←進路先の強豪チーム)もまた見に来てください」と言ってくれて、この“やさしいお言葉”にクラッと来ましたが(笑)、とりあえず社会人に関しては特別にここだけを応援しているというところはあえて作らず、一試合一試合いいゲーム、いいプレーをしてくれるチームや選手を見せてもらおうというのが基本姿勢になっています。
 個人的には、企業のチームというより地域のチームというのがイイんだけど…と思っていて、そういう意味で「釜石」なんかは応援したいチームですし、その他いわゆるクラブチームでプレーするという事がもっとポピュラーになって、クラブチームでのラグビーがもっともっと盛んになればいいなあと願っています。

                       
                            05/02/21 佳
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