No.23 早明戦
前回、―明治は、慶応戦にしても帝京戦にしても攻めがマズすぎ‥なんだ
けど、とりあえず藤田さんが落ち着いてやってるのがいい感じ(わかってい
てあえて、だとしたらなんですが。万一わかってなかった
ら‥‥‥ちょっとばかし、いや、おおいに困る)―と書きましたが、悪い予
感は当たるもので「‥‥もしかして、やっぱ‥わかってない‥?
‥藤田さ〜ん!?」と泣きを入れたい心境です(注:これが他の人だったな
ら「やっぱ全然わかっとらん、アホかあんたは!」と一喝するところなので
すが、藤田さんは昔々に大ファンだった弱味があるので)。
明治は、「こんな事をしてちゃ勝てません」の例題集状態。TVの前で
「へ? なんでそうするかなあ」「うわ、もったいない」
「げっ、蹴っちゃったよ」「あ〜〜、いや、そ、そうじゃない、そっち
じゃなくて、あ、あ、あ〜〜も〜〜〜!!」と、ホトホト疲れてしまいました。
前半終了間際の攻撃の場面では「なんでここでラインアウト〜?」と腰砕け
状態(既に脱力)。案の定、あと1回犯則を誘えば認定トライなのに自分達
のミスでチャンスをつぶしてしまった。
しかしまあ、スクラムであれだけ優位に立ちながらまずいゲームプランで
敗れた慶応戦や相手の出来のひどさにもかかわらず圧勝するに至らない拙攻
が目立った帝京戦を見た時点で、こういう結果は十分予測できました。
予測しつつ、前述の「わかっていてあえて」なのではなかろうか、という希
望的観測をしていたわけですが、違ったみたいですね〜。
速い振り回しの早稲田ペースに合わせるのではなく、明治のリズムで
“スロー”でいけばいい、というような事を藤田さんが言ってました。
明治のリズムで試合をする、というのはもちろんその通り。でも、明治が強
い時というのは、実はスローな印象じゃなくて、前へ前へ選手が出て来てど
んどんボールがつながり、止まらない、止められない、ぐぐっとひき込まれ
る迫力があったんです。藤田さんにむかって失礼な事は言えませんが(言っ
てる)、大体、今時、最初から「スローでいい」という意識ではダメだと思
います。むしろ、早稲田にだって“走り勝ってやる”くらいの、ノンストッ
プ(で前に前に)の気持ちじゃなきゃ。
そういうプレーができて、結果としてゲームの流れの中で、早稲田ペースに
のらない明治の余裕というか落ち着きのある試合運びをするというなら結構
だけど、今の明治がそんな横綱相撲をとれるはずはないのだから、あくまで
チャレンジャーとしてエンジン200%全開の気合いでいかなきゃ。
ついでに藤田さんにもう一つ意見するとしたら趙君の事かなあ。現チーム
の“スロー”なFWの中で、彼は比較的よく働いてる貴重な存在なのに、慶応
戦も早稲田戦も途中交代させられてました。疑問です
(交代で出場の山本君が悪いと言っているのではありませんので念のため)。
ぼ〜っとしている時間の多いスローな大型選手なんかより、仕事量の多い選
手を大事にして下さい。
さて、今年は明治への期待の声が過分に大きく、「“明治頑張れ!”の気
持ちと、(ちょっとモールで押し勝った位で)“重戦車復活!”とはしゃぐ
のとは、全く別なのに。甘い!」と違和感を覚える程でした。でも、私自身
も、わかっていてあえてかな〜と希望を抱いたのは、チームの力には皆がそ
の気になるかどうかが大きいと思うからです。実力不足でも、本人自ら
「俺(達)、やれるやん」と思い込んで自信を持ってやったら、ほんとにや
れた、という事もあるだろう、と。だから、願わくば明治はここでへこたれ
ず「(今回はうまく力を出せなかったけど)俺たちがちゃんと力を出したら
必ずやれる」と“錯覚”してでいいから少しずつ勝ち癖をつけて、そして本
当の強さを獲得してほしい。日和佐主将「明治はFWが爆発すれば、絶対ど
こにも負けません」って‥いいじゃないですか、さすが工大高(笑)純粋な
コメントです。
くどいけど、スローに前へじゃ意味がない。「前へ」の頭に「速く」。
「速く」は、勢い/力強さにつながる。速く勢い良く力強く『前へ』‥、
そんなチームになって下さい。
06/12/04 佳
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