Last updated: 10/28/2011 13:49:00
No.28 ザ”総括”~追伸~「花園決勝」
熱くなれずに見た決勝(去年もそう)、しかし始まってみると(そしてこれ
も去年に引続き)優勝チームの試合っぷりに感心したので、決勝前に早々“総
括”を書いちゃいましたが一言追加。
一昨日書いたように、準決勝迄を見る限り東福岡が断然走り勝ってる印象
で、仰星が勝つとしたらゴール前ラインアウトとかをゴリゴリ押し込むシー
ンしか想像できない‥と思ってました。
だから試合前の仰星土井監督の「シャットアウトしたい」とのコメントに、
「土井さ~ん、いくら何でもそりゃ無理じゃないですか~?」とへらへら
ツッコミを入れておりました。東福岡に走られてトライは幾つか献上すると
しても何とかパワーで圧倒して優位に立ちたい、くらいの感じじゃないの~?
と。だけど、前半を見終わって「‥大変失礼しました(謝!)」と思いました
ねえ。仰星がターンオーバーされる事は予想していたけど、逆だったのでびっ
くり。東福岡のトライパターンになっても凌いだし。で、風上にたっての後
半はそれこそ自分たちの優位な部分で憎いくらい確実に点をとってきて‥い
やいやお見事でした。
今期見ていた仰星と東福岡の試合は仰星の圧勝。だけど花園での戦い
ぶりは東福岡はすごく伸びたという感覚があったのに対して仰星は「雑」「ミスが多い」「プレーが軽い」等々、ロクな印象がなかったので(もちろん騙すつもりでじゃないでしょうが)「騙された~」と思いました(笑)。
こんなに強かったんだ。あっぱれ。
だけど何に一番感心したかっていえば、誰がどうしたこうしたという以前
に、チームとしての迷いの無さ。落ち着き。この揺るぎない自信に満ちた戦
い方ってどこから来るのかなあと考えてたのですが、終了間際に(先日の試
合で骨折してしまったという)左WTBの選手が交代出場してきた時に、「あ」
と思いました。プレーできるはずのない選手を、いくら今迄一緒に戦ってき
た仲間だからといってベンチにいれるのは何故かなあ、とメンバー発表を見
て少し疑問だったのですが、以下は私の想像なんですが、「優勝の瞬間、北
野(←左WTBの彼の名前)を決勝のピッチにたたせていてやりたい」という
思いが強くあったんじゃないでしょうか。
そのためには、競った試合をしてちゃ無理で、確実に引き離しておかなくて
は。最後の数分間、足の骨折で全く走れない選手がグラウンドに出てもしか
してそこで“トライをとられる事になっても構わない”ように、「(北野を
出す迄)シャットアウトしたい」という事だったのでは。
花園開幕前の感想のところで、‥(仰星に圧倒的な強さがあるにしても)
勝ち進んで強豪校との対戦になれば、あんなちぐはぐなプレーをしているよ
うでは難しいはずで、“如何にひたむきに、自分本位でなく仲間のためのプ
レーが出来るかが鍵になりそう”‥と書きました。もちろんその時はちょっ
と違う意味で書いたのですが、今日の決勝戦は、まさに文字通り仲間のため
のプレーだったのではないでしょうか。だからあれだけの強さが出たんだろ
うと思います。
もちろん相手の東福岡がすごく強いチームだったからこそ、引き出される
かたちで仰星の本当の強さが出て来たんでしょう。実際、インターセプトで
とられてしまったトライが痛かったけど、あれがなければまだまだどうなっ
ていたかわからない肉薄した実力だった。すごい高校生達です。
見事な決勝戦でした。
07/01/07 佳
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