かよこのノート

 No.35 W杯予選プール

 工大高と明大の合宿(見学)の余韻にぼーっとしている内に、始まってし
まいました、W杯。
All Blacksは、予選プール(C組)では敵と呼べるだけの対戦相手が皆無(
失礼!)なので興味も薄れがち。かなりの格下(再び失礼)との試合ばかり
では調子の良し悪しもイマイチわかりませんが、一応さらっと見ている限り、
まだまだ雑に見えます。まあ、相手が強いチームになってくれば、その分自
分達の力も引き出されて来るかもしれないけれど。
 C組以外のプールは面白いです。といっても開幕戦(仏vsArgentine)の話
じゃないですよ、
開幕戦は「あり得る」というか「どっちが勝つんだろ」と思っていました。
何故だかシャンパンラグビーのファンになった事がない私にはショックでも
驚きでもない結果。但、困ったのは、このD組(“死のプール”の異名)で(
結構ひいきの)Irelandが窮地に陥っている現実‥。Argentinevs Ireland
戦は、前回W杯も決勝トーナメント進出をかけたカードでしたが今回も又‥。
因縁の対決なので凄い試合になるでしょう。楽しみだけど怖い‥。
 蓋を開けてみたらD組以上にスリリングだった驚きのプールが、A組。私が
ひっくりかえったのは、ArgentineではなくTongaです。凄い!Tongaって、
Samoaほどキレがあったりスキルフルだとも思えず、Fijiのように“マジッ
ク”“フレアー”のあるラグビーという感じもないし、パシフィックアイラ
ンド3国の中では一番シンプルというか「普通の事しかやらない」イメージ
だったのですが(だからジャパンがパシフィックネーションズカップで勝て
るとしたらトンガが精一杯だろうという感じで、実際、今年は「本当に勝つ
とは!」みたいな白星を挙げてしまいましたが)、そのTongaがここまでの
ラグビーを見せてくれるなんて、想像も期待もしていませんでした。「ここ
までのラグビー」と言っても、まさに「普通の事しかやらない」真っ向勝負
のラグビー。元来が“技よりハート”に弱い私には、もうたまりません
(笑)。Samoa vs Tonga戦は、Tongaにはこれまでどうあがいても分が悪い
相手だし、何よりSamoaの実力は重々承知なので、「Tonga、めちゃエエや
ん、頑張ってんなあ〜」と驚きつつも、最後の最後にはSamoaが勝利を拾う
んだろうなあと思っていたら、試合終了数分前に(Tongaの)退場者が2人出
て、13人対15人での戦いとなってしまい、「ああ、やっぱり、これでSamoa
が逆転、ノーサイド、だよね」と見ていたのですが、何と13人で闘い抜い
た。Tongaが勝った瞬間、(私はどちらかというとSamoaが好きだったのに)
「‥うわあ〜っ‥」と痺れてしまいました。
 でもさすがに南アとは格が違うだろう、と覚悟しながら見た南ア戦。
これもやっぱり、「めっちゃエエやん、だけど、最後には南アが地力を発揮
するはず」と思っていて、後半開始早々Tongaがリードした時点で
Springboksがたまらず『1軍』投入し、立て続けに得点を重ねて突き放した
と見えたところ迄は“想定内”という感じだったのですが、その後再び
Tongaがゲームの主導権を握るとは、私の想定/期待を完全に超えていまし
た。素晴らしいです! Tonga!! もちろん実力は南アのほうが上回っていて
遥かに上手くて強いんですが、南アにその力を出させない集中力と迫力が見
事! 変わった事をやってるわけではなく、ただひたすら、早く反応し、勢
い良くプレッシャーに行き、果敢なタックルを繰り返し、集中し続け、必ず
フォローに走り、とにかく全力で前へ前へ‥。シンプルこの上ないラグビー
ですが、こういうシンプルなラグビーでも80分間切れずにファイトできれば
「Springboksにさえ勝てる(かもしれない)」んだ、と感動しました。

 England vs Tongaは、Argentine vs Irelandと並ぶ注目カード。前回W杯
では、Samoa が“プレーで勝った”けどEnglandが“試合に勝った”とでも言
うべき内容のゲームがありましたが、今回のTongaは、プレーでも試合にも勝
つ可能性大です。だけど、もしそうならEnglandは予選プール敗退という事態
になってしまうので、そうはなるものかという意地を見せて死力を尽くした
試合をしてほしいと思います。
 南高北低という表現がぴったりのW杯の勢力地図。南アvsEnglandも、日本
のTVで<プール戦随一のカード>とかって紹介してるのを聞き「そんなわけ
あるかいな (下手したら50点位の差がつくで〜)」と言ってた通りになりま
したが、ここ迄のところ、一番得点力のありそうなのはWallabiesだなあ、
という印象を持ちます。All Blacks の最大の壁がSpringboksかWallabiesだ
との予想は大会前と変わりませんが、Tonga戦を見て(All Blacksファンに
とって脅威の)南アとて隙なしというわけじゃない、と妙にほっとした一方
で、Wallabiesは大会前より不気味さを増してきたように思います。コ、
コワイ‥。あと、結構興味深いチームなのがCanada。初戦の vs Walesで、(
途中まで)“勝てる試合”をやっているのを見て、「すご〜っ! Japanが
ここ(Canada)に勝つなんて、難しそぉ」と正直な感想を抱きました。しか
し、Walesのベンチスタートだったベテラン選手陣が入ってきたら流れが変
わってしまい、これにも感心して、おお〜っ さすが! いぶし銀! と拍手し
ましたが。まあ、そんなわけでCanadaに注目して vs Fiji戦を見たのです
が、Canadaにとって非常にアンラッキーというか、可哀想、と同情するくら
い‥これこそ“勝てた試合”でした。Fijiとは、Japanも、最後に1トライさ
えとったら“勝てた試合”をしましたが、JapanとCanadaの vs Fiji戦は微
妙に違って、Canadaのほうが勝利にふさわしい内容だったと思います。にも
かかわらず、Japanは曲がりなりにもボーナス点を獲得したというのに、
Canadaはそれさえ手にする事ができなかった‥「そんなん、あかんわ!」(
←拳を握りしめて叫ぶ私)。CanacaにはこのあとのJapan戦、思いっきり会
心のゲームをしてほしい(と思ってしまうなんて非国民?)。 
しかし、Fijiに恨みがあるわけじゃないですが、Fijiは、なんだか“負け試
合”を2つも“勝ち”にしちゃった感じでラッキーだなあ、Fijiより断然強い
はずの Samoaが、A組で南ア、Tonga、Englandに破れてしまい決勝トーナ
メント進出どころか3位の座も絶望的になっているというのに‥と、ちょっ
と釈然としない気もします。組合わせの運/不運、大きいですねえ。
釈然としない、と言えば、Samoa初戦の南ア戦。スコア上は完敗しているよう
に見えますが、実際はこれも、勝てる、とは言わないまでも、勝ってもおか
しくない、少なくともかなりの接戦ができるはずの様子だったのに、vs
Fiji戦でのCanadaじゃないですが、この試合では、Samoaがあまりにもアン
ラッキー。ひど〜い、と思っている内に、南アが調子を掴んでしまいSamoa
は波に乗れないまま試合終了、ああ‥。今思ってもSamoaにとってはこの初
戦がその後の流れを決めてしまったように感じるので、かえすがえす残念で
す。

 冒頭に挙げた工大高と明大関連の話題もお伝えしたいのですが、これを書
き出すと又エンエン続きそうなので、今日はとりあえずこの辺で。今夜(明
朝)は Canadaを見なきゃ(←やっぱり私は○○○‥笑)。                       

                        
                            07/09/25 佳
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