かよこのノート

 No.36 Japan

 しつこいようですが、まずお詫びから。「非国民ですみません」(笑)。
 Japan最終戦について。キャプランさんが笛を吹くのが遅かったせいで生ま
れた、ラッキーな同点トライ&コンバージョン。本来なら負けていた試合。
ですが、引き分けに持ち込んだ事は、私はCanadaを相当力があると見ていた
ので、その相手に対して「Japan、良くやった」と言ってあげなきゃ、頑張っ
た選手達に悪いだろう、と思います。「負けなかった」のは重要。単に(引
き分けを)棚ぼたで拾ったわけではなく、劣勢を踏ん張って7点差で食らい
ついていたからこそという価値は認める。
 振り返って、賛否両論あった2チーム制については「結果を出した」から、
と評価する意見も多いようですが、個人的には馴染めないというか肯定した
くはない体制でした。満身創痍になったとしても、どの試合も考えられる限
りの全力投球で向かっていくのが(特にチャレンジャーの立場として)筋だ
と思うので。だから、メンバーには気の毒だけど、豪戦には見るべきものは
なかったように感じます‥‥George Smithの「タックル&ジャッカル&ト
ライ」くらいか。Smith好きなんで「きゃ〜っ」と拍手しちゃいました(
笑)‥‥。あ、そうだ、グレーガン←意地が悪そうなので好きじゃない(笑)
けどうまい‥の、「頭の後ろに目がついてるんじゃないか」と思ってしまう
ようなパスもありましたねえ。
Fiji戦は大善戦という評価が一般的ですが、実際にはむしろ、相手の調子の
悪さに助けられたのに詰めが甘くて勝ちを逸したゲーム、というところかと
思います。でもトンプソンはカッコ良かったな。Wales戦の2つのトライも良
かったですね、「何としても!」という集中力と闘争心が表れたプレーだっ
たから。うん、近年のJapanの名シーンだったと思います。
 そしてCanada戦。踏ん張れたのは何と言っても両FL(マキリとオライリー
)がよくピンチを防いでくれたおかげです(タックル又タックル!)。それ
と、大西君には気持ちを感じました。
最後のコンバージョン成功も、彼への勝利の女神(引き分けですが)のプレ
ゼント、と思えた。
 あと、この試合だけではなくこのチーム通して大野君は一番と言っていい
ほど活躍していたし、ロアマヌ(っていうか、私にとっては“クリスチャン
くん”)は結構通用するなと感じさせてくれました(がその割に十分に活躍
させられなかったきらいがあってそこは残念)。申し訳ないけどSHの吉田君
は期待はずれ。もっとイイはずと思ってたので意外でした。SHが(プレッ
シャー下でも)早くどんどんと球を捌いていけなきゃ話に、いや、試合にな
らない、と、改めて痛感。
 私のJapan戦績予想0勝4敗を上回ったわけで、JKも何とか面目を保った形
なのでしょうか。日本ラグビーのあるべき姿を考えたら、「これでよし」と
素直に喜んでいいはずはないけどね。
 ところで、これも前に書きましたが、J Sportsの放送(日本語)がどうに
も耳障りに感じるため、副音声で見ているのですが、Japanの対戦(のみ)
は地上波で中継があったので、Japanの各試合はあえて民放の地上波で見てま
した。←余談ですが、大嫌いな清宮(呼び捨て! 笑)の解説が案外面白かっ
た。エラそ〜だからヤなんですけど、直接関係ないチームの解説をしている
分にはいいのかもしれない、なんて。
で、民放Canada戦地上波放送でのラストプレー(トライシーン)のカット事
件‥。怒りまくった人が多かったでしょうが、私はあまりの事に笑いました。
ラグビーの認知度というか理解度というか、がこの程度だって事だよなと妙
に納得。これでW杯招致はないだろう(まさにお笑いだよな)、と改めてつく
づく思いました。怒った皆さんの殆どは、民放TV局に対して怒ったんでしょ
うけれど、前々から何度も苦言を呈しているようにそもそも一番のバカ、つ
まり、Japan戦以外も大きくNHKで放映していた第一回のW杯時の状況を、こ
こまで悪くした元凶は日本ラグビー協会ですよ。それと、J Sportsを有難
がってる(私も今更これがないと困るが‥)ラグビージャーナリストにも責
任の一端あり。NHKでも日テレでもテレビ神奈川でもいいけど、とりあえず、
地上波放送してくれる局があったら、抗議する前にまずは一言「御礼」を! 
「ラグビーを放送してくれて有難う」。それから「でも、もうちょっと時間
枠の余裕をお願いしますね」「せっかく多くのファンが楽しみにしている試
合の放送ですから、今度は絶対、こんなことがないようにして下さいね」「他
の大会も、もっとじゃんじゃん放送して下さいね、必ず見ますから」‥。
 “いよいよこれからが佳境”のはずのW杯が、一般の視聴者の目にふれる
事さえないJ Sportsの放送のみで日本では扱われているこの状況を変えてい
かなきゃ、ラグビーへの理解やラグビー人気/ラグビー文化なんて、根付く
はずない。           

                        
                            07/09/27 佳
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編集者注
 最後のトライシーンですが、放送の最後に突っ込んだ感じで絵が入っています。
30分延長設定して録画しておいたせいでしょうか。見れました。
なぜ、トライに結びついたのかわからなかったのですが、日本ラグビー協会のHP
に説明があり納得。(ラグビー協会にも問い合わせが多かったのでしょう)

 6マキリのキックパスからカナダ陣インゴール上で、カナダ選手と15有賀が競っ
て、タッチ。カナダ9番の故意の反則により、カナダ陣右5mラインからのペナルテ
ィ。中央で7オライリーが前進し、ラック→9金→6マキリ→21平が右すみにトライ。12大西がコンバージョン成功。(12-12でノーサイド)