No.37 Canada/Tonga
Canada戦について「キャプランさんが笛を吹くのが遅かった」と書いた
原稿の後ろの管理人さん編集注に、“何故トライに結びついたのがわからな
かったのですが、日本協会HPに説明があり、納得”とありました。この文章
を拝見して、「もしかして、Canada 9 とJapan 15のインゴールでのプレー
の後に笛を吹くべきだった、と私が言っているように受け取られたかたがた
がおられるかもしれないなあ」と思ったので、念のため補足させてもらいま
す。
私が言ったのはペナルティの前の話です。オフィシャルタイム表示(これ
は主審の「タイムオフ」「タイムオン」のコールに合わせてタイムキーパー
が管理しており、原則として主審の時計と同じ時間を示している、とされて
いる)で80分をすぎ、Canadaがタッチに蹴り出した。普通はここで「ノーサ
イド」、なんですが、何故かキャプランさん、笛を吹かなかったんです。で、
あとはご存知の通り、インゴールでのプレーがペナルティということになり、
もちろんペナルティがあった場合には試合は続行されますから、次のプレー‥
となったわけですね。
日本ではまだタイムキーパー制が導入されていないので、試合時間があと
どれだけあるのかが非常にわかりにくく、過去何度も「ええーっ? まだ3分
くらいはあるはずなのに」とか、「もう時間きてるはずだぞ」と、納得でき
ない思いをした経験がありますが、国際試合ではとても明快。たまにオフィ
シャル時計の79分50秒くらいでノーサイドの笛が鳴る事はありますが、80分
すぎたら、次にプレーが途切れた時に(ペナルティ以外)まず即座に「ピッ、
ピー」。長びくケースというのは今迄見ていた中で殆ど記憶にありません。
ですから、あの試合では結果以前にまずCanadaのタッチキックのあとで笛が
鳴らない事に「あれ〜、まだやるのか」とちょっと驚いていました。ら、あ
あなったわけで‥。Canadaはさぞショックだろうなあ。
キャプランさんみたいな世界でも指折りのレフリーに、文句を言うつもり
はありませんが、Canadaサイドにしたらあのペナルティだって、すごい厳し
いですよね。解説者(日本のじゃなくて「副音声」の)も「? 一体今の
シーンの何をチェックしてるんですかねえ? オブストラクションでもない
し問題ないようだけど?」と、ともかくこれでノーサイド、という認識でし
た。しばらくして、どうやらモーガン・ウィリアムスが故意にデッドゴール
ラインにボールを押し出す反則を犯していないかを確認しているらしいとい
う情報が入っても、「彼が触って出さなくたってボールは出てましたよねえ。
まあ、レフリーの判断はわかりませんが。」と話していました。例えばアク
シデンタルオフサイドだって、プレーに直接関係なければとらなかったりす
るのに、どうしてここで? 今のプレーで?‥ レフリーの判断についての
「もし」を言い出したら、この試合に限らず、殆どの試合で「違った結果に
なった可能性」というものが溢れ出してきてしまうので、仕方のない事なの
ですが、タッチキックでノーサイドにならなかったことだけでなく、
・どっちみちボールデッドになったと思われるプレーで、あえてヴィデオ判
定が要請されたこと、
・更に、正面からの映像で見る限り、故意にボールをはたいたという可能性
以外にも、ウィリアムスはボールをキャッチしてそのままデッドラインを割
ろうとしていたが有賀に押されたためキャッチできなかった、という可能性
も見られるにもかかわらず、「反則」の認定となったこと、など、Canadaに
とって不運な判断が続いたとしか言いようがありません。
(副音声の)解説者達も、その後の日本の同点劇には興奮していましたし、
観客達も日本の頑張りに惜しみない拍手を送ってくれていたし、私でさえ『
編集注』を見てこれを書き出すまで、今述べたような事はとりあえず胸にし
まって(つべこべ言うまい、とりあえず選手はよく頑張った)と思っていま
した。でも書き出しちゃったから、又管理人さんに『辛口トーク全開』と
かって言われそう(笑)。どうも私はJapanには厳しいんですね、Tongaには
メロメロに甘いのに(笑)。
そのTongaですが、England vs Tonga、今朝見ました!
さすが『チャンピオン』のプライドと経験としぶとさ!
England、やりましたねえ。でも、Tongaが勝っても全然おかしくない試合で
もありました。ホント素晴らしいチームだった。ああ〜、予選プールの中で
最も魅力的だったチームがこれでW杯の舞台から去ってしまうのかと思うと淋
しいけれど、決勝トーナメントでは、勝ち上がった国の、価値のある熱戦を
期待したいと思います。
07/09/29 佳
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