かよこのノート

 No.45 工大高 野上監督 辞任

 ニュース等でご存知のかたも多いかと思いますが、工大高の野上監督さん
が辞任を表明されました。荒川前監督が50歳の時に自分が引き継いだ、今度
は今年満50歳を迎える自分が次の世代にバトンを渡す時期だ、丁度工大高か
ら常翔学園に名前が変わる時期でもあり、このタイミングがふさわしい、と
いうのが理由だそうです。
 1月1日の流経大柏戦で、審判が流経柏の犯則を複数見逃し、工大高側には
厳しく笛を吹いた、として抗議をされ、試合の映像と共に公正な審判を求め
る申入書を提出された、という事で、“抗議の辞任”と報道されましたが、
ご本人のコメントの通り、「辞任と、レフリングに対する意見書を出した事
は別」のようです。そして、「私自身、レフリーは絶対だし、クリーンに
やっていこうと指導してきました。しかし、今回はおかしいと思うところが
あったのでチームの責任者として意見を出したという事です。」
 問題の試合ですが、これまでさんざん理解不能のレフリングに振り回され
て慣れっこになってしまったせいかライヴで観ている時には正直そんなに気
にならなかったのですが、ともかく工大高のメンバー達が試合中すごく「と
まどって」いるようなそぶりをしていたのには気がついていました。ピーッ
と笛を吹かれて「えっ?」「なんで?」という表情を見せていたので、はっ
きり言って密集の所の反則なんてよくわからないこともあるけれど「少なく
ともいつもは同じようにやっていても吹かれない(認められてる)んだろう
な」とは感じました。でも、どちらかというと「レフリーがこれを犯則とみ
なすと言うなら、そういうもんだと、早く今日のレフリーに適応して切り替
えなきゃダメだよ〜」と思ってしまっていました。“(今年は)最初からピ
シッとしている”はずの工大高が、なんか途中までもたもたというか調子が
出せなかったなあ〜と、試合後ちょっぴり残念だったのですが、レフリング
がそこまで彼らに大きな影響を及ぼしていたとは。そうとわかったらそりゃ
あ、ちょっぴりどころじゃなく残念ですよ。すごくいいチームになっていた
から。メンバーの悔しさのために、あえて抗議書を出す、という野上さんの
気持ち、わかります。
 ホントの事を言うと、私は流経柏はかなり力があると想定しており、最初
からピシッで先制していくゲームプランをイメージしていたため、調子が出
ない内に先制されリードを広げられ、マズイ、これは負けパターンだ、とあ
きらめムードに私がなってしまっていました。それが、30点とられてから(
ふっきれたのか)工大高の怒濤の反撃が始まったわけですが、そこにちょっ
とジンときていたんです。「何点とられてても関係なく、負けパターンに
なっててもあきらめずに、突き進む工大高は、やっぱ凄い」と。それなのに、
そんな綺麗事じゃなかったんだ、と知って逆にショックです。
 ‥でも、一つ言える事がある。工大高の皆へ、あなた達が『後半
10分の0対30』から見せてくれたのは、やっぱり間違いな
く工大高のラグビー、工大高ファン冥利に尽きるような、見事なラグビーで
した。だから、今あなた達にとっては、この試合は、もしかすると、忘れて
しまいたい悪夢の様な一戦かもしれないけれど、私にとっては(あえて言わ
せて下さい)ベストゲーム、いつまでも記憶に残る、大事な一戦です。私は
ただの一人のファンに過ぎないけれど、一人にでもそう思わせるようなラグ
ビーが出来た事に、誇りを、せめて自信を持って下さい。
 ニュースを知ったばかりで、まだ私自身も気持ちが混乱している部分があ
りますが、野上監督さんと今年のチームに、最後の工大高に、心からありが
とう。 これからも応援します。


                        
                            08/01/03 佳
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