No.50 JAPAN XV 対 CAB
昨年に引き続きの来日となった Classic All Blacks(以下CAB)。なん
か、こういう“スペシャル”なはずのチームが“毎年”来ちゃってはありが
たみ(?)が薄れるように思ってしまう。ま、来るな、とは言わないけど。
今年はハイマンとハウレットというバリバリ現役のABsが来るというので
そこは期待していたのですが、蓋をあけてみれば、CABより、JAPAN XVの試
合ぶりのほうが印象的だった。常々JAPANに辛口な私なのに、珍しく「お
おっ、イイじゃないか!」と感心しました。最後までDFが崩れなかったのが
素晴らしかった。
冷静に判断すれば、CABが日本のチームの事を殆ど研究していないせい、
即ち、事前にきちんと日本の弱点等を分析してそこにこだわる試合をしてく
れば実際にはもっと強さの差はあったはずと思いますし、JAPAN XVは、“
外国人選手”が、前半メンバーの両FL(内一人は日本国籍ですが)、SO、
インサイドCTB、後半はFL一人が替わったもののBKに更に2人入る、という
布陣だったので、それも大きかったと思います。
それでも、「ちゃんと試合になっていた」のは驚き、いや失礼、収穫と言
うべきでしょう。CABがPGを狙って来るとは(ブーイングが起きていました
が)‥笑えました。
それにしてもスペンサー‥。去年も遠藤君に振り切られてたのに‥頼むか
ら同じ事やらんでくれよなあ、と思っちゃいました(しかしそんな“失態”
をおかしたにもかかわらず、ノーサイド後は、ファンサービスぶりを発揮し
て余裕を見せていた。あれって、余裕を繕っていたのか、根がイイ奴なの
か、どっちなんだろう)。
で、ひゃ〜、JAPAN(XV)結構やるじゃん、などと思いつつ、数時間後
Super14のファイナルを見たら‥あまりのスピード感の違いに愕然としまし
た。「あ、‥やっぱ全然ちゃうわ」(笑)‥。
ホントはここだけの話(Crusadersファンクラブに籍があるくせに、実は
他のチームが好きだったりする)、もっと他のチームに頑張ってほしいとい
つも思っていて、Crusadersがラウンドロビンで負けた時なんかこっそり拍
手していた位なのですが、でも「予想通りの結果」であっても、今年のファ
イナルは昨年以上にスリリングだったような気がします。あっぱれ、
Crusaders(=あっぱれ、Waratahs)、と言っておきましょう。さっき“ス
ピード感”、と書いてしまいましたが、単なる速さだけじゃなく、鋭さとい
うのか、無駄な部分っていうのが殆どない、研ぎすまされた刃物のような、
ラグビー‥。
私は割と“愚直な”ラグビーを好むほうなんだろうと自分で思うのです
が、ファイナルの両チームを見ていると、愚直なラグビー/泥臭いラグビー、
というのは、絶対に“ゆるいラグビー”であってはいけないんだよなあ、
と(自分ではプレーできるわけでもないのに)つくづく感じてしまいました。
来年も、全然クラシックじゃないというのが「売り」のCABが来日するの
であれば、ゆるさ甘さのない、厳しさこわさを見せてほしい。そうでないん
なら、ホントに“クラシック”に徹して、誰もが「懐かしい〜」と姿を見る
だけでニコニコしてしまうような和み系のチームを作ってほしいと思います。
中途半端なAll Blacksなら、(私は)いりません。
これからしばらくは、北半球勢が南半球にやってくるテストマッチシーズ
ン。ナイフのようなラグビーが、楽しみです。
08/06/03 佳
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