No.68 明治

 今年も明治が「テストマッチ」(No.66)を闘えないようであれば、も
う‥、と、どこか覚悟にも似た気持ちで迎えた今日の早明戦。
NHK総合で放映され、殆どのかたが御覧になれたでしょうから、ホントは何
も書かなくていいですよね。だからゲームの事は書きませんが少しだけ‥。

 もしかして100点ゲームになったらどうしよう、来年からもう早明戦はな
し、なんて事になったら‥と、悪いほう悪いほうへ想像して相変わらずずぶ
ずぶずぶと沈んでいたので、今日は朝から何となく気が重かった。それでも
NHKの映像が待ちきれず、13時50分にはJスポにチャンネルを合わせてTVの前
に座ってしまう(14時5分にNHKに戻しました)。
 昔は、ロッカールームから出て来る両チームの表情を見て早明戦の勝敗を
占ったものだった。泣きはらした目で唇を震わせながら出て来たほうが、不
思議と勝った。ここ何年かは勝敗予想する気にもならない一方的な試合が続
いていたから、そんな事すっかり忘れかけていた。けれど、TVにうつるロッ
カールームのドア、その奥から聞こえてくる声、ドアをあけて出て来た顔、
に、ふいに「占い」を思い出した。画面の向こうの明治の選手達の姿に「気
持ち」が見える。
チームメートの気持ち、支えてくれる人達の気持ち、自分自身の気持ち。「
想い」がほとばしっている。 
―今日はもしかしたら‥。
無論、ひなげしの花で「勝つ」「負ける」「勝つ」「負ける」(これでピン
ときた人は私年代のはず←笑)とやるようにはいくはずもない。実力に“埋
められない差”が存在していたならば、「占い」なんてなんの意味も持たな
い。でも、慶応戦や帝京戦を見て「力はあるはず(なのに)」と思っていた
から、試合前の校歌に整列する明治の選手達を見ながら、心の中で、「占い」
を、おまじないのように繰り返しつぶやいていた。
その気持ちがあればやれる、勝てる、やれるよ、勝てるよ、やってくれ、勝っ
てくれ‥。

 ゲームの事は書かない、で、何を書くかと言えば、「占い」と「顔」の話
で‥すみません(笑)。今日の明治は「顔」が良かった。ロッカーから出て
くる時の顔。校歌を聞いている時の顔。試合中の顔も。そしてノーサイドの
後の顔! あれこそが勝者の顔だよな(ここ、もちろん東福岡の“へらへら”
した笑顔を思い出しながら書いてます←あ、又悪口言っちゃった、ご免なさ
いっ)。 
 私の感覚としては、一昨年のチームより去年のチームのほうが余程良くなっ
てたし、去年より今年のほうが更に「やれる」という感じがあったのに、シー
ズンの成績は全くもって惨めなものだった。4連敗で負け越し。だけど彼ら
は、この8年間のチームができなかった事をようやくやり遂げてくれた。9年
越しの早明戦勝利。対抗戦6位で、大学選手権出場を逃したチームが、今日
は立派な勝者の顔をしていた。素直に讃えてあげたい。おめでとう。そして、
おまじない、じゃなくて、祈りをとなえる。来シーズンに、きっと、つなが
れ。

                        
                           2008/12/07 佳
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