No.75 花園三回戦
二回戦の翌朝、新聞に「久我山苦戦。5点差で辛勝」とあるのを目にして、
「‥そーか、苦戦、って言っていいんだ、あれは」と気がつきました。おす
すめ情報(No.72)で「苦戦どころか苦杯を嘗める事になるのでは」と婉
曲(?)に書きつつも、実は完全に久我山が負ける事を想定していた(笑)
ので、試合直後うっかり「(久我山)意外に力強かった」「(深谷が)あえ
なく撃退され」などと書いてしまいました。あれを読んで久我山が大勝した
と思われた(であろう)管理人Iさん、紛らわしい記事を書いてすみません
でした。
久我山が嫌いなワケではありませんが、(大会本部がシード校を決定する
際)東西のバランスをとらんとするあまり不自然なシードとノーシードが出
来て、組合せに恵まれるチームあり/その逆の悲劇あり、になっているので
はと思え、「無理に東からシードを出さなくったってイイのに」の不満が、
特に東のAシード久我山への厳しい目になってしまっています。それともう
一つ、(言ってはならんグチですが)常翔学園だったら久我山に勝っちゃう
のにー‥の悔しさも。
でも、ついついそんな風に、◯◯やったら□□のほうが‥などと思ってし
まうものの、シード(シードにもれた、同等レベルのチームも含め)クラス
の各校の差はごく僅か。過去のデータで優位な側が花園でもその通り勝てる
とは限らない。ま、そうじゃなきゃつまらないですけどね。
だから、私の中では「強くない」との認識だった久我山が、初戦“辛勝”
とは言え予想以上の力強さを見せた事も、そして、今日の大阪桐蔭戦で“圧
勝”しベスト8入りを果たした事も、受け入れ難い事ではない。
勝つ時も負ける時も、「花園」には普段の試合とは違う、魔力と呼びたく
なるような何かがある。どんな結果でも、ああ、こういう事があるんだな、
と、不思議に納得してしまえる(宝ケ池の結果については「納得」なんてで
きませんもん←笑)。
花園マジック、今日の結果。
東福岡対西陵。
これ(と、啓光対東京と)は、今日のカードの中では比較的地力差のある対
戦、と思われたのだけれど、西陵、見事でした。昨年同じく3回戦で0対65で
完敗した相手に対し、何とか食らいつき、「‥もうちょっと。‥ここであと
少しうまくいったら‥(勝機もある)」と期待させてくれた。最終スコアは
5対22だけれど、最後のヒガシのアレはトライじゃないから実際には5対17!
と思ってます(笑)。でもFWの体重差等を考えたら地力は恐らく50点近い差。
それが、大事な舞台でこういう試合ができる。これぞ高校ラグビーを見る醍
醐味。渡邊拓馬君(西陵10)、又見たい選手です(ヒガシはいずれにせよ「
又見る」事になるのであえて書かない)。
常翔啓光学園対東京。
驚愕。上述の通り「地力差のある対戦」と思っていたら‥残り2分位まで何
と0対3、最後の最後で啓光がトライをあげてやっと逆転勝利。‥心臓に悪い。
「おいおいおい」(←前回に続き)とブツブツ言いながら見ていた私が、気
がついたら、紫のユニフォームの前へ出る鋭さ気迫に「!素晴らしい!」と
感嘆してた。東京高校にスタンディング・オーベーション! 見事でした。
京都成章対秋田中央。
どちらもシード校を倒して勝ち上がってきたノーシード校(ここ、紙一重の
チーム揃いで面白くなりそうとの予想通り、ホント熱戦ブロックでした)。
けれど今日は明暗がくっきり分かれた。成章は、ここ迄の勝ちで“波に乗る”
雰囲気。秋田中央は、ここ迄の試合でのダメージ、ケガ人‥今日もキーポジ
ションの選手達が負傷退場するなど“満身創痍”。結果、地力の差以上にス
コアが開く試合となりました。ゲーム終盤の第一グラウンドに霰か雹か‥冷
たい雪が降り注いだ。そんな中、秋田中央古谷監督さんが、屋根のあるベン
チではなくピッチサイドで、コートのフードもかぶらずに、選手達をじっと
見つめておられました。SHもいなくなり、キッカーもいなくなり、ボロボロ
になって迎えたノーサイド。惨敗に涙を流す選手が多い中、「やれるだけの
事はやった」というような印象的な笑顔で成章選手と抱擁を交わしていた吉
田主将。その主将が、バックスタンドからメインスタンドのほうへ戻って来
て監督と向き合った瞬間大泣きした。父親のように彼を抱き寄せる監督。
こんなシーンを見てしまったら、秋田中央、来年も頑張れ、と思わずにはい
られません。そして、秋田中央の分まで京都成章頑張れよ、とも。
その他の結果:
尾道対流経柏0-7(接戦)、大分舞鶴対青森北22-12(見てません)、佐賀工
対茗渓7-7(同点!抽選により佐賀工が準々決勝進出)、桐蔭対御所0-17(
見てませんが、御所が「そろそろ来たな」という感じだとしたら、桐蔭も「
やっぱり結構強かった=来年も強いだろう」ですね)
全試合終了後、準々決勝の抽選が行なわれました。
大分舞鶴対常翔啓光学園。
ここ迄2試合のモタツキで、つけ入る隙をあらわにした事になるのか、逆に、
開き直って力を爆発させる事ができるのか、啓光の「強さ」が問われる試合。
東福岡対國學院久我山。
実力的にはヒガシが断然上だと思う。但、今年のヒガシは「花園で強くなっ
て」いない。久我山のほうが「花園で化ける」可能性を持っているのかも。「
Aシード?」と首をひねったりなんかしてご免!と土下座してみたい(笑)。
京都成章対佐賀工。
成章が勝つ! 飯田高校に「優勝校と一回戦であたって負けた」と言わせま
しょう(笑)。
流経柏対御所工・実。
サイズの差を御所がどう克服するのか、というより、流経柏がストロー級を
ヘヴィー級のリングに引きずり上げて叩きのめすような試合をすれば柏に勝
機ありと思うので、それが見たい。御所が負けるのを見たいという意味では
なく、それぐらいエゲツナイ試合になった時に御所がどうするのかな、と、
殆ど“怖いもの見たさ”みたいな面が(笑)‥。
それにしてもシード、地域、タイプ‥、うまい具合に分かれたものです。
楽しみだなあ。
休み中で、曜日の感覚が欠落し、日付だけが頭に入っている状況=明日2
日は“裏花”(見られませんが)開幕と大学選手権準決勝。
あさって3日は花園準々決勝‥‥でラグビー観戦に明け暮れ、大晦日からお
正月になっても何にも変わらずに過ごしていますが、ここでちょっと正気に
かえり新年の御挨拶を(笑)。明けましておめでとうございます。少しでも
良い事の多い、希望のある年になりますように。今年もどうぞ宜しくお願い
します。
200901/01 佳
(C) 2009 Copyright Kayoko Hosokawa All Rights Reserved.