No.104 大阪府ラグビーシーズン開幕試合
前回(8月30日に記した一文ですが、HP管理者Iさんが海外出張等御多忙
のため未掲載で、多分これと同時のアップとなるでしょう)、
『今日の時点で、N君は順調に回復中!! 本当に良かったです。
待っている皆のところへ早く元気な姿を見せてあげられるように、リハビ
リ頑張って!!!』と書いたN君が、皆のところへ戻ってきました!!!
9月13日。長居で行なわれた、大阪府の高校シーズン開幕試合(仰星対朝
高、啓光対常翔)。
その日退院した彼が、長野から帰阪し、平池先生に先導されながら(支え
られながらではなく、自分でしっかりと!)観客席の通路を歩いて来る姿
に、試合を見る事を放っぽりだして目が釘付けになった←気持ち的には拍
手喝采したかったけど実際にはコソコソと小ちゃく拍手(笑)。
試合後「退院おめでとう」と声をかけたらニッコリ元気に答えてくれて、
首を固定している器具も、もう少しではずせそうとの事でした\(^o^)/
ホントに良かった。
仰星対朝高は、大差で仰星勝利でしたが、朝高も若いチームのようだし、
勢いが出ると結構行くかも。
余談ですが、後ろに座っていらしたご夫婦(朝高側の席だったので、この
お二人も無論朝高の応援)、旦那さんのほうはラグビーをやっていた人ら
しく、奥さんや子供達にプレーの解説をしてましたが、合間に何度も選手
に向かって「なんで、待つ(タックルに入らずに見る)ねん?!」とじれっ
たそうに繰り返すのが微笑ましく、つい笑っていました、私←もちろん、
前の席で前を向いて、です。奥さんのほうはラグビーはあまり詳しくない
ようでしたが小さい頃を知っている子が朝高のメンバーにいるらしく、「
姿見るだけで感動してしまうわ(ウルウル)」と話しているのを聞いて、
わかるなあーと、又又前を向きながら共感していた。何か、ご夫婦とも妙
に親しみを覚えてしまう方達でした(笑)。
啓光対常翔。
一年前、やはり大阪府開幕試合で長居に来た時には、どうしてだか「見え
ない」と、遠いチームのように感じてしまった常翔学園でした(No.61)
が‥今年はそんなことなかった。
春先の府予選、対啓光戦、DVDで見て「ポイントへの入り方(反応のスピー
ドと勢い強さ)で全然負けてるやんか〜」と文句をつけた(No.84)あの時
ともまるで違った。
常翔が先制トライ。その後も常翔が攻めるけれども点数は入らず前半終
了。
前半は全く啓光に精彩が無く、啓光に力を出させない位に常翔学園が強い
のか、啓光が自分達自身の理由でうまく力が出せていないだけか、それと
も、啓光が常翔の力を見極めようとしているのか(としたら不気味)、な
どと考えながら見ていたところ、後半に入ったら、ハーフタイムに指示が
あったのか、やや啓光が変わってきて、得点をあげた。
すかさず、「きたきたー」と某高ラグビー部員達の声。
この日は“大阪4強”のゲームを観戦に、府下のみならず京都や和歌山、愛
知などからも各校ラグビー部がやって来ていて、メインスタンドが満員と
なりバックスタンドも解放される事になったほどでしたが、そうしたラグ
ビー少年達が、私の背後で「俺、啓光」「俺は常翔」と、どっちが勝つか
賭け(ちなみに金額は200円位※良い子の皆さん、スポーツ賭博は禁止です
よ)をしていて、次に啓光が又得点を加えてリードすると、
《啓》「よっしゃー」《常》「おかしいなあ」といった調子(笑)。
そういう賭けが成立して盛り上がる位ですから、もちろん接戦(上の場
面で一旦後塵を拝した常翔がその後追いつくという展開)だった。
のですが、試合が終わってから、野上先生が「点数は7点差(だけ)やけ
ど‥」と仰るのを受けて、「(常翔のほうが)勢いがありましたよね」と
答えてしまった位、内容は常翔が断然良かった。そして野上先生が、「ま
あ、途中、1回2回(抜かれて)行かれてしもたんもあったけど、だいぶ(
相手を)止めきれるようになってきたな」とHコーチに向かって話しかけら
た時にも、「(啓光の攻撃人数が)余りませんでしたもんねっ」と、つい
横から口を出してしまった位、しっかりしたDFが出来ていた。
常翔学園のほうが攻めてる時間が長かったけれど、ミスが出たりしてター
ンオーバーされた事が数回あった。こんな場合、瞬時にピンチ、になるの
が普通だけど、人数もスペースもちゃあんとカバー出来ていた。
で、待ったりしないで前に攻めてDFしてたし(朝高を応援していたあの旦
那さんも、常翔のプレーなら「なんで待つねん?!」と苛立つ事も少なくて
済んだだろう)。頼もしい。‥何か、結構、すごいかも‥。
しかし、一番すごかったのは、最後。
試合終盤、啓光陣ゴールラインを目前にしての攻撃で、倒れたままの選手
がいる。紺赤のユニフォームは見えているけれど、誰かまではわからない(
メインスタンドから最も遠いバックスタンド側)。FWの密集プレーだった
ので、「FWの子だよなあ‥もしや‥キャプテン?」という嫌な予感に自分
でおののいていたら、どうやらホントに圓生君らしく、ひえーっ。担架が
呼ばれ、監督さん達がバックスタンド側へ走り、平池先生も「ちょっと行っ
て来ます」と下りて行かれ‥。私はと言えば何が出来るわけでもなく、席
に座ったまま「ひえー、ひえー」とアホみたいに(アホです)身をよじっ
ていたのですが、しばらくしたら福谷監督がそう慌てた風もなく軽やかに
戻って来られ、担架も空のままで戻って来たので、ちょっと安心。
そして、中断していた試合が再開。と思う間もなく、常翔が「ガガガーッ」
と突撃して鮮やかな決勝トライ。
おおっ!! 私なんか、寸前のハプニングで動揺し、プレー再開の時はまだ
ボーっとしてたというのに、彼らはどうだ!? あの集中力、見事でした。
キャプテン退場にもかかわらず、というか、キャプテンが退場した事に
よって却って、という面もあったのかもしれない、すごく気迫があって、
気持ちの感じられたプレーでした。大橋君もコンヴァージョンをビシッと
決め、締めてくれた(パチパチパチ)。
このゴールが入って「ノーサイド、かな」とも思いましたが、ロスタイ
ムがありました。しかし、それまでだったら「まだまだ行くでー」とかっ
て騒いでたであろう《啓》君達もピタッと静かになってしまった。実は《
常》君のほうも。それくらい真剣に見ていた。或は、それほどに常翔のト
ライが強烈だった、のかもしれない。
フルタイム。(キャプテン代行の)古橋君を筆頭にスタンド前に整列し
て挨拶をする時のメンバーの顔がとても良かった。それから、少し遅れて
バックスタンド側からゆっくり歩いて戻ってきた(良かった、ほっ)キャ
プテンがその列に合流して、もう一度挨拶をした時の、何とも言えない空
気。暖かくて力強い‥。あんな顔を、又見せてね。
そしてあの空気を、秋に、そして冬に、それから新春にも、運んで下さい。
N君の元気な姿が見られ、決勝トライが見られ、「来て良かった」と幸せ
に浸った私‥ホントは他にも「来て良かった」が一杯だったのですが、口
外したらこの日のスクール練習(お休みさせてもらって行ってきました、
感謝ですm(_ _)m)を担当して下さった「留守番部隊」の方々に恨まれそう
なので内緒です。お世話になりました皆様、有り難うございました。
2009/09/15 佳
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