No.129 Smith × Williams
「来季NZに帰国しCrusaders入りかと噂されている」と書いたSBW。
NZで来年のW杯スコッド入りを目指すのかそれともトゥーロンからの破格
の(“ワールド・レコード”級との表現)延長契約オファーをとるのか‥、
渦中の人だった彼が、ついに去就を明らかにしました。
9日夜に出演したTV番組の中で、魅力に満ちた契約金とフランス生活を捨
てて、帰国しオールブラックスを目指す事を明言。
「(これですぐにオールブラックスになれるとは思っていないけれど)
夢を実現するための第一歩を踏み出した」。
翌朝10日付のNZ各紙には早速この話題がスポーツヘッドラインに大きく登
場。WEBでのコメント数も多く、“お騒がせ男”の面目躍如と言うか、良く
も悪くも注目度の高さがうかがえます。
今朝(11日付)の『The Dominion Post』には次のような
Conrad Smithのインタヴュー記事が掲載されました。
Conrad Smithは(自分のことよりも)the All Blacksを優先させるつも
りだ(タイトル):
彼(SBW)に帰国して欲しくないなんて、そんなバカなことあるわけないよ。
彼が優れた選手なのならオールブラックスのためになるわけだろ?
優れた選手なのならNZのためにプレイしてほしい、フランスじゃなくてね。
僕にとっては、オールブラックスがW杯を勝ち取ることが最優先で、僕自身
が(スコッドに入って)その当事者になるかどうかはあくまで二の次なん
だ。
‥つまり、W杯スコッド入りを目指すSBWの帰国で結果として自分がメン
バー落ちする事になっても良い、と言っているわけで、随分ものわかりの
良い発言にも思えるけれど、これって「SBWが本当にそれほどの(自分を上
回るほどの)選手なら大歓迎」=「果たしてそれほどの選手なのかお手並
み拝見」「俺を超えるっていうんならやってみな、受けてたつぜ」みたい
なつもりもあるのかなあ。
「彼は(#12より)#13に向いてるように思うけど」(←‥だよね、と頷
いちゃった※前回参照 のですが、本人は#12に意欲的のようです)「
リーグから適応するのはそんなに簡単じゃない」とも言ってるし。
「リーグから移籍してユニオンで成功した選手は数えるほどだろ、Brad
Thornとかトゥキリとか。Thornでさえユニオンで力を発揮するまでには
何年もかかった」裏を返せば「リーグ出身のSBWがいきなり来年“モノに
なる”かはまだわからんぞ」ってニュアンスなのかも。
謙虚なのか自分に自信があるのか。いずれにしてもかなり太っ腹発言。
さっすがSmith〜、という感じ。
SmithがSBWを認める背景の一つ、そしてSBWがABs入りを目指すべくNZに
戻る決意をした背景の一つに、Tana Umaga(今季でトゥーロンとの契約を
終えNZでコーチになる)の存在があるようで、Hurricanes/ABsでSmithと
もコンビを組んでいた彼が今後SBWをどう育てるのかで、来年のW杯の行方
にもかなり影響してくるかもしれません。
ところで記事の最後には、自身が逆にリーグに転向する可能性を問われ
たSmithのこんな言葉が。
「リーグ? どうかな。学生時代にちょっとだけやった事もあるけど‥
んーわかんないな、なんていうか、“違う”っていう感じだな(It’s
not quite me)。リーグのフィジカルなところは好きだけど、僕にとって
はちょっと単純すぎるんだ」。このセリフにも、やっぱSmith〜、と思いま
した。
明日のIreland戦では、ぜひぜひSmithに「これがCenterのrugbyだぞ」
というところを見せてほしい(BODとのマッチアップ!) し、Israel
Daggと、スターターじゃないけどVictor VitoとCrudenもとても楽しみ。
ということで、今日はこの辺で。おやすみなさい。
2010/06/11 佳
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