No.150 今年のベストトライ
先週末は菅平合宿。
例年同様多摩RSさんにお世話になって、(去年からご一緒している)福知山
スクールさんと共に、午前,午後,午前と一日半、色々なスクールさんと交
流試合を行なわせてもらいました。
こうして関東の強豪スクールさんと試合が出来る機会は貴重で大変有難い
のですが、特に今年の高学年の対戦相手はかなりハイレベルだったのでうち
の子ども達にとってはちょっと可哀相だったかも。でも、勝ち負けとは別
に、最後までベストを尽くせる子が増えてきたのを感じ、そこは成長しつ
つあるかなという気がしました。多摩のコーチのかたにも、気持ちで行け
るいいチームですね、と言ってもらいました。
話変わって(今更ですが)、バリバリのオールブラックスのTL入りが先日発表
されました。誰あろう、如何にも日本受けしそうなNonuです(笑)。個人的に
は「日本でプレーするNonu」に殆ど関心がない、というより持てないけど。
それにしてもリコーって(リコーに限らんか)大物採り! Nonuがとはねえ。
一昨年来日した時よっぽど日本食が美味しかったんだろうな、それとも女の
子が可愛かったとか。食べ物に釣られたというのは限りなく真実に近いよう
だけど(尤も一番はお金なんでしょうが)、うーん、もう一つのほうもあなが
ち冗談に終わらないような・・何かNonuって簡単に日本女性と結婚しちゃいそ
ーな気がする。
ま、それはどーでもよくて、私としてはNonuよりやっぱJerry Collinsだ
わ、見たいのは。
社会人の練習や合宿なんて見に行ったためしもないくせに、「ヤマハ、菅平
来るのかしらん」と思わず調べてしまいました (・・が来なかった、残念)。
それどころか(今年はアルウィンでのTLの試合はありませんが)「う、うわー
っ、来年(松本に)来たりなんかしたら、ど、どーしよー」と既に上ずって
いる有様(爆)。
以前、後光射すサウカワさんにサインをもらいに行く際に右手と右足を同時
に出して歩いていた前科(自覚)を持つ私ですからJCを前にしたらどんな事に
なるか・・我が事ながら想像段階でも十分笑えます。
さて、スクール合宿前日のFiji戦で始動した今季のABs。
これが、言いたくないけどお粗末な試合で・・初戦ウォームアップモードだっ
たから仕方ない? うーん・・いよいよ今日からはそんな言い訳は通用しない
Tri Nationsでの戦い。
尤も、すぐそこにW杯を控え、南アなんかは主力を休ませて臨む体制で、
SpringboksじゃなくBaby Boksだなんて呼ばれていたりして、いつものTri
Nationsとは少々違った様相でもあるけど。
先週のTri Nations開幕戦は、その(Baby?)Boks対Wallabiesというカード。
前週のSamoa戦でよもやの黒星を喫したWallabiesが、この日はうってかわっ
て活き活き躍動。
見ていて楽しい、exciting&entertainingなプレー。二つ目のトライなんて
あまりに見事で、んもーっ「今年のベストトライ」あげちゃうっ(待て待て、
幾ら何でもまだ早すぎる) !(笑)
Wallabiesの良さはしかし、危うさと表裏一体みたいに思えて仕方がない。
・・クーパーのパス、何やねんアレ、あんなんとれるヤツ、O’Connor君くらい
しかおらんで・・(ぶつぶつ)。ま、でも、そういう細かい事をあげつらって型
にはめてしまうのではなくあくまで伸びやか・・というか、前にも書いたけ
ど、効率やセオリーよりも、圧倒的な才能とひらめきで押し通す、のが、
少なくとも今のWallabiesのスタイル。吉と出るか凶と出るかわからないけ
れどいずれにせよ楽しみなチームです。
今日の試合。
“Baby”Boks相手に、ABs としては単に勝つだけでは十分じゃなくてそれ
なりの勝ち方を収めなくてはいけないはずで、その意味では先週のFiji戦
の出来を考えると試合前は決して楽観できなかったのだけれど、新調ジャー
ジでしきり直しの今季スタートといったところか、それぞれの選手に気迫
が感じられたところは良かった。
余談ですが、ピッチ登場時のABsは全員ウォームアップスーツ(の上だけ)を
着用しており、国家斉唱後におもむろにスーツを脱いだのですが、このもっ
たいつけたお披露目ぶりの割には、おニューのジャージ、結構シンプルな
デザインで(・・っていうか、基本真っ黒だしデザインといっても限度がある
とは思うけど)、でも清新さ(衿が白いのがクラシックかつ新鮮な印象)が感
じられるところがNZらしくてイイかも。
心配していたZacは何とかTri Nations Squadには選出されたので、あとは
ここでのアピール次第でW杯の“本Squad”に選ばれるかどうかが決まると
いうところ。
彼は一つのプレー、一つの失敗、一つのトライごとに成長してると思う・・
いや彼に限らずどんな選手もそうなのだろうけれど、私の目線(=親心)の
せいで特にZacにはそれを感じます。
今のトライはもっと中央まで持っていかなきゃいけなかったな、とか、あ
そこはもっと思い切って行くべきだった、とか、ここであきらめちゃダメ
だ、踏ん張るぞ、とかって、自分に言い聞かせている(であろう)セリフが
浮かんで来る・・(但し日本語である←笑)。
今日はテストマッチで初めてトライをとったし、アシストもしたし、DF
もよくやってたし、Boksの選手にみぞおちを蹴られ(もちろんわざとではな
い)ても退場しなかったし(笑)、二つ目のトライもとったし(!)、いつもの
事だけどすごくワークレート高く動き回ってた。親のひいき目か(笑)Zacが
活躍すると観客の反応も熱いというか暖かい気がする(気のせい?)。ともか
く、今日で自信がついたと思うのでこれをはずみにしてますます頑張って
ほしい。
先程「今年のベストトライ」と書きました。
いつも色々試合を見る中で、トライが幾つも生まれる派手な試合よりもDF
が厳しくてなかなかトライにならない試合のほうが好きかなと思っている
のですが、今年は、何と言うか、スカーッとさせてくれるようなトライが
見たい気分。
W杯決勝でZacがトライとってくれたら最高だなあ、とか思う(夢想する)け
れど、まあ、そううまく事が運ばないのが世の常なので、Zacうんぬんとい
う虫の良すぎる期待は忘れるとしても、最高の舞台で (W杯の決勝トーナメ
ントともなるとどうしても堅い試合運びになってトライが少ない傾向にあ
るのですがそこで敢えて)素晴らしいトライがいーっぱい見られる事を願い
たい。
そして。
菅平合宿一日目に肩を痛め、その後時々休みながら「無理しないように」
と出るものの、出場してしまったらついつい全力でプレーしてしまってい
たさやかちゃん、二日目お昼前の試合ラスト5分で「最後だから」と出場し
て奮戦し、相手を振り切って駆け抜け、トライを決めた。と思うと、立ち
上がれなくなってしまった。満身創痍という感じで、気持ちで走りきった
もののもう力が残ってない。子供だと思ってたけど(失礼)あんな風に「出
し尽くす」事が出来るってすごいと思いました。
一方的な負け試合だったのだけど、この最後のトライのお陰でチームは勝っ
たみたいな盛り上がり。そしてインゴールに倒れこんだまま起き上がれな
いさやかちゃんは、「すごいぞっ、よく頑張った!」と背中を貸しに来て
くれた他スクールのコーチにおんぶしてもらって皆のところに戻って来た。
そう、見ていた誰もが「すごいぞっ、よく頑張った!」と思ったから、
これも間違いなく「今年のベストトライ」の一つ。
かっこ良かったよ、さやかちゃん。
2011/07/30 佳
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